第742話・・・バレーのK・Y
2007年 09月 05日
やたらと選手のそばにへばりついて指導している場面を見る。
その度に「あ~あ~」と思うのだが、
指導者はますます熱心に教えているのである。
「選手は理屈ではなく感覚で覚えるもの」
「指導者は理論で組み立て、感覚で覚えさせよ!」
感覚神経は入力系、運動神経は出力系。
聴覚入力はイライラの元凶になるので注意されたし!
これが指導の鉄則なのに・・・。
感覚で覚えられるようなドリルを段階的に与えよ!
そうすれば選手自ら工夫して自然に覚えていくもの。
ちょうど自転車や一輪車に乗る練習のようなものだ。
例えば、空間獲得ドリルなどその典型。
誰でもAクイック、Cクイック、Bクイックのタイミングが覚えられるように
なっている。ドリルの説明は10秒で充分だ。それ以上は言うなってこと。
言葉で“感覚”を伝えるのは難しい。
だから体を動かすドリルが必要だ。
ドリルを与えられない指導者が手取り足取りやる。
しかも、しつこいほど喋りながら。これが喋り過ぎってことだ。
そばで「声出せ、肘あげろ、ブツブツ」とず~っと言われ続けられる
身にもなってごらん。そりゃ~、たまらんだろ。
うるせ~!と言いたくなるのも無理が無い。しかし選手はガマンしているのである。
まさしく、いま流行の「K・Y」。空気(K)が読めない(Y)人のことだ。
「手取り足取り」っていかにも丁寧に教えているようなものだが
その実は、自由を奪い取っているに過ぎないこともあるので注意が必要だ。
言葉でいくらタイミングなどのコツを伝えてもうまく伝わらない。
当たり前である。
言葉は大脳をくすぐる言葉かけをせよ。それで十分だ。
「え~!、あっ、そう!」・・・って感じでいい。