第687話・・・連動動作とD2ダンス
2007年 06月 21日
・ある部位を動かすことにより自動的に違う部位が動き出すこと。動きのユニット。
連鎖運動とは・・・・・
・動きのユニットをつなぎ合わせること。
この二つを理解するだけでも指導がちがってきます。
つまり、人間の動きは単体では動いていません。複合して動いているということです。
これを無視すると故障につながります。勿論上達が遅いことはいうまでもありません。
例えば手のグーパー運動。
グーとは前腕を回外(右手を時計方向に回す、手の平を上)しながら小指から指を折っていきます。これがグーです。この時肘は屈曲していきます。そこから肘を伸ばしながら前腕を回内(右手を反時計方向に回す、手の平が下)して指を小指から開いていきます。これがパーです。
つまり、グーは物をつかむ動作です。肘が屈曲しながら前腕が回外します。
野球のピッチャーが反対の腕のグローブを胸に巻きつける動作です。
あるいはフライを受け取る時のグロブの使い方です。
パーは物を払う動作。肘が伸展しながら前腕が回内します。
つまり、追い払う動作、投げる動作、スナップ動作の原型になります。
これを解剖学的にみると上腕二頭筋は肘を曲げる動作(屈曲)だけど同時に前腕の回外筋としても働きます。肘が曲がりながらグーの動作・・・肘の屈曲と同時に前腕の回外動作がやりやすくなる、自然にその方向に動き出すということです。これが「自然な動きの正体」みたいなものです。
ところが小学生や中学生の「グーの動作」を見てください。手招き猫みたいに手首が背屈になっている子が多く見られますね。不自然な動作です。「猫と同じ動作だから自然でしょう?」と反論されると思いますが、ところが犬や猫は「回外・回内動作」ができないんですね。したがって「犬かき」という泳法があるんですね。犬や猫が平泳ぎするところを見たことはありませんよね。
回外・回内ができるのは人間とサルだけだと言われています。次に、前腕が回外しているときに上腕二頭筋は肘の屈曲筋として強力な力を発揮するといわれています。
腕相撲の時、巻き込みながら引き付ける動作がそれです。つまりこれが「連動」ということになります。体の一部が動くとそれにつられて別の筋肉が動きだす。脳からの指令でなく筋・骨格の構造・仕組みから作り出される自然な動きのことです。更に姿勢反射というのがあって顔の向き、アゴの向きで腕の力の入り方が変わってきます。
逆に肘の伸展動作は上腕三頭筋と肘筋の仕事ですが、上腕三頭筋と共に働いてくれるのが方形回内筋です。肘関節の伸展に伴って前腕を回内させる動きです。ドライバーで締めたネジを緩めるときの動きでよくわかります。ネジを緩める時はドライバーでネジを押さえながら、つまり肘を伸ばしながら左側に回します。回内です。ピッチャーがシュート投げる時やアタッカーがクロス打つときなどよく使われる筋肉です。
たった手首のグーパー運動でもこれだけの意味があります。D2ダンスの腕の動きにはこのような動きが自然にできるように工夫されています。知らないうちに「連動」と「連鎖」ができるようになっているのです。バレーボールでは肩→肘→手首の関係、前腕と手首の関係、母趾球→膝→股関節、脊柱軸→腕の関係が必要ですのでこれらがスムーズに動けるようにD2ダンスを楽しんでください。