第518話・・・大事なこと <日々新た>
2006年 12月 06日
「勝つことが一番」という人も多かったな。
「勝てばみんな文句言わんようになる」っていうけど、僕は素直に頷かんかった。
間違いじゃないんだけど、何か違うんだな。
そういうと、「じゃ、お前は勝たなくてもいいんか!」って言われたこともあるけど、なんていうか、「こいつバカか!」って思ってしまうんや。
そりゃ、勝ちたいよ。夢にまでみるよ。
「そんなんわかっとるやん!」って言いたくなるわな。
口ではなんぼでも言える。責任がない人ほど言えるセリフや。
しかし、勝つために命賭けて取組んだ経験のある人は
頑張っている人間に「簡単に勝て」などとは言わない。
なんやこう、考え方が短絡的というか、文化がないというか「勝てば文句いわれんようになる」っていう計算高い打算的なずるい考えが受け付けられへんのや。欲望が見え隠れする生き方がどうも性に合わんのやろうな。
やっぱりな、僕がず~っと気を使ってきたんは、どうすれば周りの人達が「応援しよう!」という気になってくれるかや。その為には確かに、勝つことも条件の一つや。
もうそろそろ勝たないと、皆の期待を裏切ってばかりやからな~と、そりゃあ悩むよ。
いくら全国で2位になってもあかんねんとはわかっているよ。
どんな事情があっても、どんなにいい試合しても、結果は結果やしなぁ。
結果を出すことが我々の仕事でもあるしなぁ。
「でも大事なんはなんや!」っていつも考えるんや。
会社の人が「応援しよう!」ってチームになるためには何が必要なんか、ってよく考えるよ。「選手個人個人の自覚」と言う人もいるけれど、じゃ選手が自覚が足りない場合はどうかというと、それは選手の責任ではないんや。僕の責任や。まあ、こんなふうに考えていく訳や。結論的には、勝っても負けても「女子バレーを応援しよう!という気にさせるチームを目指さんといかんと思うんや。周囲への気使い、気配りを無くしたら終りやな。