490話・・・北風に顔を向けろ <日々新た>
2006年 10月 24日
優勝できなくていろいろ周りから言われる。冷たいもんだよ。
それで、ぐっとこらえて歯をくいしばっていても、
ふとした時に「人の優しさ」に触れると、
つっかい棒がとれたかのように「フラッ」となって涙まで流してしまうんだよな。
そんなもんだよ。人間って。
松下幸之助さんは「左手に聖書、右手に算盤(そろばん)持っている」と聞いたことがあるわ。嘘か本当か知らんがなかなかおもしろい話やなあ、って思ったよ。その流儀でいけばわしは右手に何を持つんかな?刀かも知れんな。勿論負ける喧嘩はするつもりないし、ムダな争いはしたくないんやけど、監督をやっているとどうも血が騒ぐことが多いんや。喧嘩がちっとも怖くないねん。困ったもんやな。それでついつい「穏やかでお人好しで、人間が好きで、寂しがりやで真面目な人間でいいねん。弱い者の心を大切にしながら小市民的な人生でいいねん」と思うようにしているんや。けどそうもいかん時がある。いざという時には相手と刺し違えても「守ったる」と思ってしまうんや。本当は、図々しくしたたかにせなあかんのやけど、それが苦手なんや。そんな人間見たら絶望してしまうんや。まだ青いんやな、わしは。全国で2位になっても、賊人みたいに言われた時は正直辛かったなあ。君らは本当に頑張ったもんなあ。結果は大事だけど、君らは本当に良く頑張ってくれたよ。
優勝目指してよくあそこまで頑張ってくれたよな。