475話・・・理念と通年 <日々新た>
2006年 10月 05日
「物を売る前に経営理念を売れ!物を作る前に人をつくれ!」
とやかましく言われていたんだよ。この意味、君らにはあんまりピーンとこないと思うけど、実は凄いことなんだ。どこの会社でも「事業は人なり」と言っているけど問題は中身や。中身が全然違うんだよ。この会社(松下)しか知らない人はその違いが分からないかもしれないが、僕は違う会社の経験もあるし、いろんな会社のことも人よりは知っているので良く分かるんだよ。この前スカウトにいった時、そこの先生、部長さんがうちの考え方にえらく感銘してくれて、とても気に入ってくれて、「選手をどんどん送りたい」と言って下さったんだ。これこそ会社の考え方、バレー部の取り組み方を売っていることになるんだよ。つまり「バレー部の目的は何か」「選手の育成法はどうしているか」「企業スポーツをどのように認識しているか」「将来の構想は」「その考えは何処から来ているのか」等々が、相手に通じたんだと僕は思うんだよ。今、物は売れなくても、今欲しい選手が採れなくても、相手に本当にファンになって貰うだけの「もの」をもって接すれば、いつかは必ずうまくいくものだよ。会社は何のために存在しているんや?と聞かれたら「世の中を豊かにするために会社がある」と即座に答えられるぐらいの考えがいるんだな。「会社の目的は何か」「自分はどう生きるか」「チームの存在価値をどこに求めているか!」、これが「理念」というものだ。逆にどうすれば儲かるか、どうすれば楽できるか、どうすればうまく世渡りができるか、とばかり考えることを「通念」と言うんだよ。世の中をうまく泳ぐための「ずるい考え方」と理解した方がいいかも知れない。そんなんはいつか崩壊して崩れるだけだ。
松下にはしっかりした「理念」があることを覚えておいて下さい。