第449話(9月6日)・・・叱られる
2006年 09月 05日
君らは一体、何人の人に真剣に叱ってもらえるのか考えてみいや!叱ってくれる人は僕以外にいないんじゃないの?
口偏に匙(さじ)と書いて「叱る」と読むんやけどな、言葉で相手を救うという意味や。昔、難病を治す為に薬草を匙一杯煎じて飲ませたことから来た言葉や。「匙を投げた!」というのはもう助けることができん!っていう意味や。人間はなあ、叱られて賢くなっていくんが多いんやで。「子供には叱られる権利がある」って誰かが言うてはったけど、ほんまにええこと言いはる人や思うわ。それは結局「大人には子供を叱る責任がある」って言う意味やけどな。
もしね、誰も注意してくれる人がいなくなったり、叱ってくれる人がこの世でいなくなったらどないなるんや。昔は近所に「怖いおっちゃん」と「有り難いおっちゃん」がいたもんだ。職場でも怖い先輩がいてハンマーでどつかれていたんだよ。今は職場でも叱ってくれる上司が少なくなったもんな。これって、喜んでる場合じゃないんだよ。お前一人で生きていけ!わしはお前のことなんよりも自分のことが大変や、って言われているのと同じことやな。
自分のことしか考えないから叱れないんだよ。まあ、お前らに真剣になってくれる人なんて、この世に何人いるか数えてみいや。
自分を本気で叱ってくれる人がやで。それをやな、「嫌や」言うて逃げていてはもったいない話や。本気で叱ってくれる人なんてお金払ってもいないんやで。それぐらい価値のあるもんや。本気で叱ってもらえるくらい魅力ある人間になれよ!、って言いたいんや。