第2955話・・・ 第23回 公認講習会
2019年 09月 21日
第1093回バレー塾

第22回自然体バレー公認講師養成講習会受講レポート
令和元年9月15日 チームアカルイミライ 尾上 晋太郎
令和の時代に必要な指導者とは
A君の身長は160cm、B君は165cm、C君は170cm、D君は175cm、 E君は180cmです。C君の次に背が高いのは誰ですか?という質問に対して、ほと んどすべての人がD君と答える。ほかに答えはないのか?確かにA君を基準に考えれば D君だが、E君を基準に考えると・・・?
文章やSNSなどで相手に伝える際には、思い込みによるトラブルを防ぎ、誤解を招 かないよう注意が必要である。
◎トロッコ問題
制御を失ったトロッコがレールの上を走っている。レールの先には5人の作業員が作 業をしており、そのまま行けば5人が死ぬ。作業員の手前にはポイント(切り換え)が あり、ポイントを切り換えれば5人は助かる。しかし、切り換えた先には別の作業員が 作業をしている。あなたならどうするか?これをチームに置き換えた場合、指導者はどちらか一方の子どもたちのために、もう 一方の子どもたちを犠牲にするような二者択一をしてはいけない。欲張ってどちらも助 かる「第三の答え」を探さなくてはいけない。※自然体で行う「ストレッチ&トレーニング」も第三の答えの1つである。
◎指導の本質を外さない
指導の本質を外さないとは、「まっとうな人間」であること。これがなくては人間が 人間でなくなるもの(本質的要素)と、なければなくてもよいもの(付属的要素)を見 極める眼力を養う。枝葉末節にとらわれず、社会や周りの環境に文句を言わず、自らが 行動を起こす。してはいけないことをしなければ、人は自然とついてくる。
「お前のせいで負けた」、「アホ!ボケ!」など子どもたちの人格を無視した発言は、 教育者として失格である。言われた人間の心にどう響くのか?人格の根っこを崩すよう な行為に対して、我々は子どもの健全な育成を守るために戦わなければならない。
自立とは、自分で立つ。自分の意志で物事を実行すること。自律とは、自分で律する。 無意識の部分を意識してコントロールできること。
◎発信力を身につける
肩・肘・手首の連動連鎖、前腕の回内・回外など、難しい言葉を子どもたちにいかに 分かりやすく伝えるか。「泥団子ピカピカ」、「ひよこなでなで」、「車のハンドル」や「オ ノパトペ」などは何を表しているのか。具体的な言葉で明確に伝える。言葉で伝えるの が苦手なら文章でもいい。自分なりの強みを持つ。今や小学生でも一人1台iPadやタブレットが当たり前の時代。子どもたちに負け ないよう、ITリテラシー(情報通信技術の活用能力)を高めなくてはならない。
指導者自らが模索する姿(R&D:研究開発)を子どもたちに見せることが重要。矢 印を選手に向けず、自分に足りない部分と素直に向き合うこと、選手が指導者に「NO」 を言える関係が信頼関係を作る第一歩である。
◎人の悪口は堂々と!?
陰でこそこそしたり、憎しみを持って相手を批判したりするようなことは言わない。 人を嫌いになるには、まず相手の好きなところを見つけてから嫌いになる。そうすれば、 嫌いな相手でも認めることができる。もし、本当に嫌いな人であれば、距離を置き、一 切付き合わないことである。
◎仕事と職業
「仕事」とは相手に喜びを届け、自分が生きがいややりがいを感じられるもので、「職 業」とは仕事を達成するための手段である。「業務」とは仕事をこなすための一つ一つ のタスクである。(例えば、「人の役に立ちたい」という仕事を達成するために、「教師」 という職業に就き、「子どもたちの指導」という業務をする。) 人は仕事を与えらると、その仕事に必要な業務を考えるが、業務を与えられると、その業務以外やらない。人に任せるときには業務ではなく、仕事を任せる。
◎人生とバレーボール
1つのリンゴを3人で分けるには、リンゴを3等分にすればいい。しかし、選手に注 ぐ愛情は分けてはいけない。それ以上に100でも200でも与えてあげる。指導者に はあたかもスナックのママのように、相手に「自分の方を向いてくれている」と思わせ る技量が必要。
人生の挫折にくじけない人間形成をするのが教育の根本である。40歳になったとき にイキイキ、ワクワクしている人がいい。自立型人間形成を目指す。社会に出て5年間 のうちにどんな人に出会えるかがとても重要。もしそのような人に出会えなければ、自 分がそういう存在になればいい。君はどう生きたいのか?自分は自分の人生の生きているのか?本当に幸せなのか? バレーボールを通じで何を子どもたちに教えるのか?今一度自分に問いただす。たとえハチドリのひとしずくであっても続けることが大切。諦めたらそこで終わり。
◎技術と解剖学も
今回の講習会は、人間学はもちろんのこと、勝つための技術やかなり専門的な解剖学 も学んだ。自分たちの学生時代には「腕を振れ」、「肘を上げろ」などと大ざっぱに体の 部位を指摘されただけであったが、今回は筋肉の名前や構造、関節の仕組みなどをはじ め、なぜ体幹トレーニングが必要なのか?PNFとは何なのか?反射と反応の違いや可 動域と可動性の違いなど医療系専門学校さながらの講義が続いた。
◎小平選手と学び
スピードスケートの小平奈緒選手と清水宏保氏の対談から。両氏とも解剖学にも精通 しており、聞いていて清々しい気持ちになれる。小平選手は、対戦相手は敵ではなく、 自分自身を高めてくれる仲間という感覚であるという。無敵とは誰にも負けないことで はなく、敵を作らないことであるという本質を学ぶ。
また、小平選手から「スピードスケートから学ぶ楽しさを学んだ」、「学びを得たもの が勝てる」、「楽しいから学ぶ」という言葉が出てくる。世界の頂点に立った小平選手が、 今もなお歩みを止めず学び続ける姿勢こそ、我々指導者が学ばなくてはならない。
学びとは、正しい答えを出すことではなく、考えることである。
◎ファーストペンギンとの対面
今回、浜松市からジョイントプラクティスラボの中心メンバーである4人の方が参加 してくれた。立ち上げの経緯や当時の苦労話、現在の活動状況、そして今後の展望など 熱意あふれる話を聞くことができ、自分自身もエネルギーと新たなアイデアをもらうこ とができた。
初対面であったにもかかわらず、すぐに意気投合し講習会の雰囲気に溶け込むことが できたのは、「自然体」という共通言語があったからだと確信する。
◎常に新しい理由
講習会に参加して思うことは、先生の話は常に進化しているということ。過去に配信 された動画であっても、切り口が変化していて見るたび、聞くたびに新たな気づきと学 びがある。それは先生が「我々の何百倍もバレーのことを考えている」から。その理由 はバレー塾に来た子どもたちや講習会に参加してくれる指導者をがっかりさせない、裏 切らないため。我々も先生に置いて行かれないよう学び続けなければいけない。最後に、草野先生はもちろんのこと、講習会のお世話をしていただいた岸田夫妻、全 国各地から集まった同じ志を持った受講者の方々と一緒に学ばせてもらったことに心 から感謝いたします。