第2928話・・・グー ぱっ ポン
2019年 03月 13日
グー ぱつ ポン
(ディグの基本動作)
🔷人や物、動物の動きや心の状態を音で表現したものが
オノパトペ。
そこで、スパイクレシーブ(ディグ)の動作を
音で表したものが「グーぱっポン」
「グー」「ぱっ」「ポン」や
「モゾモゾ」や「チョンチョン」や「タタタ」
オノパトペのオンパレードです
これだと小学生にも伝えやすい😄
<オノパトペによるレシーブ動作解説>
❶ チョンチョン
膝と肘で体を上下に動かしながら
位置どりの動き出しのタイミングを測る動作
相手チーム陣内にボールがあり
相手セッターがトスを上げる瞬間まで行う
トスが上がったら「タタタ」
チョンチョンは
「立腰(りつよう)姿勢」で行う。
目的は、セッターのツートスや速攻に
対応できるように
いつでもどこでも動ける態勢を準備しておく

❷ タタタは4方向
相手のトスによって
自分がレシーブする位置に移動する
この動きを「位置どり」という
この位置どりはチームの約束事や
フォーメーションにによって異なるが
基本的に前後左右の4方向にする。
位置どりの次がいよいよレシーブ主動作の
「グー ぱつ ポン」
❸ 「グー」の目的は
スプリットのタイミングを測る!
目線が大事になる

アゴを前に突き出すようにしながら
上半身を折っていく(ガラ系の携帯のように)
両目が水平になりよく見える。
「グー」の動作は

背中を丸めながら、ガラ系携帯のように
体を折るようにするのがポイント。
その時、自己防衛屈曲反射による
無駄な腕の動きを防止するために、
手はヘソモゾ
前腕で横腹をモゾモゾとこするようにしながら
丹田を手で軽く押す👇

ヘソの下の部分を丹田という。
尾骨を地球の中心に下ろしながら
丹田に少し力を入れるだけで「命門」が開いて
体が動きやすい状態(ゴリラポーズ)になる
(東洋医学による)という効果もある。
名門(めいもん・腰椎2番の棘突起と3番の棘突起の間にあるツボ。ベルトの高さにある腰椎が4番目。命門を開く、または名門を広げると、腰が緩んで、気が上から下に流れやすくなる。つまり動きやすくなる。
このことは1999年〜2000年に連載していた月刊誌バレーボールマガジンの自然体バレーコーナーの中で『ゴリラポーズ』として掲載されている)
❹ 「ぱつ」は
スプリットの表現!

スプリットとは、体を少し宙に浮かして
着地させる動作のことで、
次の瞬間「床反力」とアキレス腱や
ふくらはぎなどの「伸張反射」
が使えて1歩目の動き出しが速くなる。
❺ 「ぽん」は、「最短距離で面」を出す表現。
小学生の打ったスパイクボールでも時速36キロメートルはあると仮定する。そうすると秒速に換算すると10m/秒になる。100m10秒で走るスピードである。人間の反応時間は平均で0、2秒。アッ!と反応した時には、ボールはすでに2mは動いているのだ。それから動いてレシーブしようとしても、さらに遅くなるということだ。つまり、選手が必死に全力で打ったスパイクボールを「動いてレシーブ」なんて、目の目に飛んでいるツバメを素手で捕まえるようなものだ。
到底不可能であるということ。
アッ!と同時にスプリット、同時に面づくり。
これが「ぱつ ポン」である。
「ぱっ ポン!」を行うための準備が「グー」
「グー」を作る準備が
「チョンチョン タタタ」ということである
🔷余談・・・in伊豆で、”面づくり”に取り組んでいた時、末広中学校の岡田先生が「手を下げるタイミングが難しいと生徒が言っています。ヘソモゾのままで体を曲げたらだめでしょうか?」との相談がきっかけで、またまた新たなレシーブ技術開発が始まりました。そして試行錯誤を重ねて今回(3月9、10)のin東京でここまでたどり着きました。
そこで得た結論が「チョンチョン タタタ グー ぱっ ポン(日野台高校杉山先生作)」です。もちろん完成ではありません。自然体には絶対という言葉も、完成という言葉もありません。さらにさらに、もっともっと検証を加えながら改善改善の繰り返しです。
上から目線に立った指導者の
「こうしろ!」ではなく、
生徒の立場になって考えてくれる
指導者の優しさと、素直な心が
新たな技術を生み出そうとしているところに
意味があると思ってあえてこの話を紹介しました

相手の立場で考える
これが指導者の基本