第2885話・・・バレー塾 in石狩
2018年 05月 23日
第1033回バレー塾
【技術は動きの上に乗る 18日(金)】
スパイク、ブロックの動きについて、子ども達にわかりやすい表現で段階を追って伝える。言葉で、そして草野先生が実際に動いてみせる。頭の中で描くイメージと意識のズレが徐々に埋められ ていく。ボールを一切触らない動きづくりが2時間弱続く。子ども達は頑張ろうと必死であるが、 力みが出ている。物理の法則、解剖学的な根拠をもとに理論が加わる。伝え方に愛があり、1つ1 つの言葉が生きているからこそ、すっと子ども達の心に落ちていく。2つ以上のことは言わない。 1つずつ練習を「つなげる→戻る→つなげる」ことで点が増え、線になっていく。ボールを使った 練習に移ると、これまで見たことの無い動きの滑らかさ、流れが生まれていた。必要なことが加わ り、邪魔をしているものが徐々に取り除かれていく。子ども達の動きの変化に驚きを感じると共に、 「技術は動きの上に乗る」とはどのようなことかを間近で実感することができた。また、相手の考えを引き出すには「はい」でしか答えられないような質問はし ないこと、これからの時代を過ごす子ども達のために何ができるのかを考え、「選手、保護者、学 校、地域、周りが納得するものをつくる」ことの大切さをお話しいただきました。
【理論と実践、そして人間学 バレー塾1日目 19日(土)】
午前中の講義冒頭は、バレーボールを通じて「何を学ぶのか」、子どもの未来の幸せを考えることが大人の役割であるという話題でスタート。試合に出ることありきで考えることへの問題を投げ かけられる。参加者の中には、中体連後に部員が1人になりながらも練習を続け、6 名の新入部員 と一緒に参加した中3の選手がいた。彼女の心に響くものがあったのではないかと思う。途中から身体を動かしながら理論を交え、ウォーミングアップやトレーニング1つ1つが全ての プレーにつながっている自然体バレーの考え方に奥深さを感じた。午後からは、動きづくりからスタート。時間を追うごとにプライオメトリックジャンプ、SSC の動きがどんどんと良くなる。理論と実践が融合されていく。終盤に「2人組復習 12 分」のメニ ューに入った時には、どの子も能力を持っていることを感じさせる動きが至る所でみることができ た。夜の懇親会では、言葉の受け取り方は人によって様々であり、「バックスイング」を子どもに 教える時は「バックにスイング」ではなく、「バックからスイング」が良いのではという話題も指 導者間で交流することができた。
【目指す行き先をイメージさせて バレー塾2日目 20日(日)】
2日目は、目指す先をイメージすることからスタートした。動画をみながら 3 人の練習、4 人の練習、6人の練習の動きをイメージさせる。イメージする先に行き着くためには、何が必要なの かを参加者全員がそれぞれの段階で判断し、自己決定をする。自信のあるボールは打つ・ディグ・ トスをし、自信が無ければボールを掴み、全員が流れをつくっていく。途中、線から点に戻り、草 野先生からポイントの確認がなされる。すると理解が深まり、1日目よりも体育館に響く音がテン ポ良く変化していった。上手くできている選手のモデルを観ることで、参加者全員の意識がさらに 高まってくる。時間を有効に活用するために、練習の順番を後ろで待っている人が自分の判断で動 きづくりのトレーニングを始めるチームがあった。そのチームをみてさらに刺激を受ける。会場全 体の動きとキレが増して、子ども達の心にさらにスイッチが入った。練習の流れがどんどん良くな り、試合をしなくても、試合につながる動きが練習の中で自然と高まった。また、小学校 3 年生 が1人だけ中学生に混じって参加してくれた。この2日間、ペアでの練習をずっと組んでくれたの は、昨年の中体連終了後から部員1人で頑張ってきた中学 3 年生の生徒であった。小学生に愛情 を注ぎながら、一緒に練習をする姿に感動しました。小学生がペアを組んでくれている中学生の後 をついて行くようになり、2日目にはとても和やかな表情へと変わっていく様子をみることができ ました。バレーボールの素晴らしさを感じさせてもらいました。
初めての自然体バレー塾開催にあたり、多くの方々のご協力をいただき、充実した時間を過ごす ことができました。本当にありがとうございました。また、一番近くで支えていただいた石狩中学 校バレーボール部保護者の皆様といつも笑顔でひたむきに練習する 8 人の部員達に感謝の気持ち でいっぱいです。
草野先生の「指導者が全て知っていて準備をしていなければバレーボールを教えることはできな い」という言葉に重みを感じ、日々学び続けることの大切さ、新たなことへの挑戦が必要であるこ とを強く感じさせていただきました。草野先生、たくさんの学びをありがとうございました。