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by kusanokenji
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第2785話・・・試されている

「元監督・現教頭」

バレーの監督をして学んだこと、言い換えれば自然体バレーを通して自分が大きく変わったことは何かといえば、それは「耐える力」がついたことでしょうか。 バレーに出会う前、またバレー指導をし始めたころの自分は、生意気でそれでいて、なかなか人に頭を下げることができないタイプでした。人に頭を下げて教えてもらうぐらいだったら、自分でやったほうがマシ・・・と思っていました。変なプライドが高い嫌なタイプでした。 そういった時代のお便りを読んでいると、「自分を勝手に正当化」している文面に多く出会います。 

ある時、チーム内の親同士の醜い人間関係の争いがありました。その時、私が発信していた内容は、 ・仲間に敵をつくって相手に勝てるわけがない ・人に嫌なことをする人間は、いつか破滅する ・自分がしたことは自分に必ず返ってくる という、優しさのない強気な文言が目立ちます。けど、こういった言葉を発しているときは、どんどん事態は悪化していきました。 

今思うと、自分の中に「自分は間違っていない」という自分を正当化しようとする意識が強かったのだと思います。ベクトルが自分の方にしか向いていないのです。 

チーム内の不協和音に悩んでいる指導者の方はたくさんいます。そんなときに、きれいごとを声高々に訴えるよりも、少し視点を変えてみてはどうでしょうか? 

「自分のチームのことを批判する人間がいるチームは絶対に勝てない」 私もこういった言葉を発信しているときは、本音では「お前のような親がいるからダメなんだよ」と心の奥底で思っていました。そういった直接的な表現ができないので、上のようなとげのあるオブラードで包み込んでいたのです。 

じゃあ、こんなときはどうしたらいいのでしょうか?私は、矢印を自分に向けることを草野先生から教えられました。自分にできることを謙虚に考えることです。自分が悪くないのに謝るなんて・・・。以前はそう思っていました。けど、監督という立場である以上起こったことは全て自分の責任・・・。そう思って、人に頭を下げることもできるようになりました。プライドとか、実績とか、そんなものよりも誠実に接することで不協和音は沈静化することが多かったように思います。 


チーム内外を問わず、様々な不協和音で苦しんでいる監督の皆さんへ。攻撃的な言葉、自分を正当化するためのとげのある言葉を相手に投げかける前に、一つ深呼吸して周りを見て、ニコッとしてみてください。そのうえで、謙虚に誠実に、そして必要であれば自分があまり非がなくても謝ることの勇気をもってみてはどうでしょうか。 「今回、チーム内に保護者同士の意見の違いなどが起こっていることを聞きました。私はこのことを聞いて一番反省しなくてはならないのは自分のチーム創りだと思いました。今回の件で、いろいろな人が嫌な思いをしたことと思います。子供をやめさせると考えている保護者の皆さんもいると思います。けど、そういった最悪の結果に向かうのではなく、もう一度、ここからお力をかしていただければと思います。本当に申し訳ありませんでした。 〇誰が何を言ったか・したかという追究の場所ではない 〇チームの方向性の確認 など・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 

保護者会で何をどのように伝えようとしているのかを悩んでいた当時のメモが残っております。その最後には 「全てにおいて試されていると思え」と草野先生からの言葉が書いてあります。









by kusanokenji | 2017-07-19 23:31 | ■連載“日々努力”