第2711話・・・バレー塾第988回 in弘前
2017年 05月 16日


2日目に参加しました。<レポート 上路>
参加者は、地元中学生の4チーム。
昨年までとは違い、たくさんの笑顔と声があり、講義終了には、時間ぎりぎりまで、質問がありました。もちろん、草野先生の導きもあると思いましたが、先生方の普段の生徒の向き合い方を感じる練習会でした。
【16ビート裏拍】
LINE研修で12月ごろから見て取り組んでいますが、正直、理解が浅く、今回の研修で学べることを楽しみにしていました。丁寧な解説と何度も繰り返されて取り組んだ実技、その成果を見て、理解を深めることができました。
『なぜ、16ビート裏拍をするのか?』
リズムに乗る、流れに乗る。それは、人間も気持ちが良い。そのよいことで、バレーボールの動きと流れをつくる。
4ビートは、イ~チ、ニ~、サ~ン、ヨ~ン
8ビートは、イチ、と、ニ、と、サン、と、ヨン、と
16ビートは、8ビートの倍速
この「と」が裏拍
それは、「表」と「裏」、「ためる」と「はねる」、「作用」と「反作用」、「バックスプリット」と「1歩」ということ。
また、中学生男子による演習。ダッシュでスタートをするときに、確かに、みな1歩引いてから、駆け出します。
「この1歩引く動作が遅れ。バックスプリットで、膝を抜く。さらに、2,3歩目を強くがんばる。(1歩目は小さく)。徒競走ではなく、バレーボールのなかでのダッシュなので、2歩目、3歩目をがんばる。ただ、がんばるのではなく、何のためにがんばるかをしっかりとしたら、効果が違う。」
【動画の奥深さ】
以前の講習会で、
『(聖カタリナ学園高校トストレ後)練習直後のコーチング~教えてもらったことを5分以内に5つ書く~』の動画について、これだけで1冊の本(教育論、指導論)が書けるくらいの内容がある。と話され、内容を解説いただきました。
その講習会では、奥を観る、背景を観る、「観見の目付」がポイントのひとつでもありました。
今回の『ノックの打ち方』の映像のなかにも、
「教えてもらうだけでは上達しませんよ。それでは、教える側の能力次第ということですからね。つまらないですよ。」と、ナレーションがありました。
「教える人が良い、悪いと言って人のせいにしてしまうことになる。教える人がうまくなくても、自分でできるようになればいい。
人のものを見て覚ええるとか、考えるとか。
それでも、わらなかったらどうする?(選手の回答、「聞く」)
その前にすることは、ないかな?(選手、「・・・」)
『自分で調べる!』
このことは、2歳で決まる。(洗濯を干すときのお月様の形のお話)
このときに、教えてもらってばかりいたら、人に甘えたり、人に聞くしかできなくなる。(2歳のミルクの話)」
このように、動画の見えるものだけでなく、その背景、語っているものに気づかないと、ドリルのものまねで終わってしまいます。それだけでなく、トレーニングひとつにしても、基礎技術にしても、その取り組みでものごとの考え方、心構えまでも成長ることに気づくことが大事だと思います。そのためにも、動画を観るときは、文脈をたどることが必要ですね。
【点と線】
先生のプレゼンテーションの画面には、点シリーズと線シリーズがあります。点と点をつなげれば、線になる。それがわかっていても、練習場面では、どのようにしたらよいのか。その映像ももちろん、用意されていました。そのプレゼンテーション画面を見ても、きちんと整理され、段階的、系統的指導、必要なときに、パッと出せる引き出しの数々、想像を超え準備されているものを見ることができます。会場では、どの場面でも学びがいっぱいでした。
【ミーティング】
よく、練習最後に反省会をしますが、翌日には忘れていることもしばしば。
4チームで6人の乱打を一回りし、すぐ、各チームで反省会をしました。まとまったら、草野先生へ報告。その次に、今の反省とは違うことで、具体的に「これをやろう!これを気をつけよう!」というものを2つ話し合いました。このときに、ポイントがずれたら、目的もずれてしまう。みなさんのミーティングは、なんか、反省のための反省。目標づくりのための目標のような感じ。昨日の練習は何だったの?みなさんから、出されたものは、目に見えるところであり、結果。チャンスボールをしっかり返すとか、ディグを上げるとか。その結果を作り出しているものは何か。
私(草野先生)から見たら、
1、チョンチョンをしていない。
2、ミスを見逃している。(後からでもよいから、やる)
とアドバイスされ、この「ポイントのズレ」「視点のずれ」を気づき、ミーティング、反省会のポイントが確認できました。
【進化】
体育館に大きく掲げてあった生徒会テーマ「進化」という文字。
テーマを決める、掲げるだけではダメ。ツメが甘い。進化ということは、具体的にどういうことをすることか。個人で、学級で、学年で、チームで考えているのか。
この「進化」という言葉をキーワードに、数々のお話しがありました。
・3年生、チームに何を残すか。自分たちが後輩のために、何が 残せるの?チームでもめることはなかったか?あって当たり 前。人が集まれば、人の悩みがあるもの。そのときにどのよ うに解決するかが大事で、後輩がそれを見ている。誰かが、 わがままをしたら、いけない。後輩が見ていると意識したら、 変わる。2年生も後輩の前で恥ずかしいことをしたらダメ。意識 が変わる。
・一流の人を研究したらいい。一流の人とふれたらいい。進化し たければレベルの高い人に入っていけばいい。そうしたら自分 も高くなっていく。厳しいところに入っていけばいい。それ は、自分が決めること。
・よかれと思ったことが、科学、研究、医学の発達で壊れ、進化 している
・意見をいうときは、根拠をもつこと。もし、間違っていたら、 変えたらいい。それも、進化ということ。自分の意見にこだわ らない。正しいことを求めたらいい。
・①強い動物 ②頭のよい動物 ③変化に対応する動物 生き 残った動物は?
残ったのは、③の変化に対応する動物、人間。人間の中にも① ~③の人間がいるね。変化に対応するということは、進化でも ある。
学校現場では、アクティブラーニングが取り組まれています。
講義型ではなく参加型。対話、グループでの演習、体験、教えあうなど。自然体では、以前から、たくさんの学びと様々な学び方、何を学ぶかよりも、いかに学ぶか。選手が主体的に学び、取り組めるように、やらせる指導より、やりたくなる指導となっています。今回、自分のアンテナの感度に、そのことが、どんどん、ひっかかる場面がいっぱいでした。バレー関係者だけでなく、指導者をはじめ、学ぼうとする気持ちがあれば、誰でも、学びがたくさんある研修場所と感じました。