第2681話・・・元監督・現教頭の視点(70)
2017年 01月 04日
教え子からの年賀状で心温まる文言がありました。
「いよいよ高校生活最後の一年になりました。人数も少なく、弱小のバレー部ですが、とにかく今バレーが楽しいんです。仲間のことが大好きなんです。そんな仲間と最後に一回勝ちたいねといつも励ましあっています。」
彼女は私のもとではキャプテンとして活躍した選手です。中学校でも選抜チームに入るほどの選手でした。高校はバレーの強豪とは無縁のチームへと進学しました。そこには何年も勝ったことのないチームで選手も初心者ばかりです。監督もバレー未経験者です。けど、彼女はそんな状況の中で決して腐ることなく誠実にバレーに仲間にそして監督にも接してきました。そんな仲間たちと「一度でいいから勝ってみたい・・・」 素敵な夢です。何だか心温まる生き方です。
そんな中で彼女はキャプテンとして三つの約束を大切にしているとのことです。
①プラスの言葉を発すること。ありがとう、うれしい、楽しい、おめで
とうという言葉を口グセにしている。
②笑顔。ちょっと落ち込んだ時も笑顔をつくって接してみる。
③人を喜ばせ感謝されること。人を喜ばせて感謝される経験をす
る。
春高バレーが開催されます。全国トップレベルの選手が集う中の大会も感動がたくさんあります。けど、道端に咲いている何気ない花の美しさ・・・無名の公立高校が一つの勝利を目指してひたむきに生きている姿・・・。これも素敵な青春です。
どんな山を登るのか。高い山を目指すだけがバレー指導ではありません。選手にあった山を目指していくこと。私が草野先生から教えられた大切な教えの一つです。いつも高い山、日本一の山を目指す生き方は転げ落ちて途中でけがをしたり、再起不能になります。
新しい年を迎え、どんな山を目指し、どうやって登っていくのか、選手・保護者とそのことを共有しなければチームの土台は強固なものにはなりません。そのあたりのことを新年度の保護者会で話し合うべき必要があると思います。