第2679話・・・元監督・元教頭の視点(69)
2016年 12月 28日
もうすぐ平成28年も終わりです。今年もこのような場を与えてくださった草野先生、また、読んでいただいた皆さんに心より感謝しております。時々、私のブログを自分のブログに転載している方も見受けられ、自分の発信したことにこのように感じていらっしゃるのかととても勉強になりました。ありがとうございます。
さて、今年もバレー指導をしているとそれこそたくさんの苦難がやってきたことと思います。人生と同じようにバレー指導も私は「川の流れ」のようなものだと思います。
私なりに考える指導者を地獄に突き落とす三大要素があります。
それは「欲」「怒り」「迷い」だと思います。指導者はこの三つと常に葛藤しながら生きています。
私も「勝ちたい」「あいつは・・・・・」「どうしよう」常にこんな思いに悩まされてきました。
また、指導が認められたり、結果がついてくるようになると今度は知らず知らずのうちに失われていくものがあります。「謙虚さ」です。ある程度の経験・年齢を積んだ指導者は、言葉遣いをはじめ、自分は謙虚さをどこかに置き忘れていないかを自問する必要があると思います。
「なぜ、俺の言ったとおりにやらないんだ」
「黙ってついてこい」
「俺の強かった時代は・・・」
自分の過去の強かった時代にしかよりどころがない人、今の最新のトレーニング理論・練習方法に無頓着な人、強権発動を生きがいにしているような人・・・
バレー界にはこういった人がたくさんいますね。新しい風を巻き起こそうとしている若い指導者、しっかりと勉強し苦しみ悩みぬいて結果を出し始めた指導者、こんな人たちに嫉妬し、つぶそうとしている人もこの世界にはよく見かけます。
今、時代は急激に変化しています。私がバレー界に入った16年前と比べると当時の子どもや親の様子、学校を取り巻く環境が劇的に変化しています。
私のような40代後半から50代以上の指導者が、自分が教えてきた指導スタイルを貫こうと思ってもダメな時代になっています。その古い手法を変えないでいる人は、コートを去らなければならない時代になりました。
反対に過去の自分を封印して、すばらしい指導をしている人も見かけます。
・自分の失敗経験はよく話す人。(本当はすごい実績なのに)
・前のチームのことを一切言わない。
・今のチームの文句も言わない。いいところしか言わない。
・「バレーがてきること」「子どもたちに教えられること」を何よりも感謝している。
こんな指導者の方のチームの子供たちは明るいし、バレーが大好きです。60歳を過ぎてもかつての肩書にしがみつかず、笑顔でバレーを指導し、すばらしい結果を残している方も見受けられます。勉強させられます。
バレーを指導し、そこから輝く人と錆びる人は何がどう違うのか、そんなことを考えさせられた一年でした。
今年も草野先生からたくさんのことを学ばせて頂いた一年でした。「貫ける人」とは、自分とは何が違うのか。ぶれない、振り回されないための生き方とは・・・。
いつの時代も自然体バレーは、今の自分が迷いを感じた時に羅針盤となる存在です。
来年も一緒にこの自然体バレーの場で学ばせていただけることを感謝しております。皆さんもよいお年をお迎えください。平成29年もよろしくお願いします。