第2639話・・・元監督・現教頭の視点(54)
2016年 07月 30日
抵抗勢力に歩み寄る姿勢
学校現場にはスポーツ少年団活動を快く思っていない教師もいます。大会に出場するにあたって、学校を早退・欠席しようものなら、露骨に嫌な態度や言葉を投げかけてくる人もいます。
私もチームが強くなりだしたころ、一部の先生方の抵抗勢力にあい苦しんだことがあります。大会に出場するために、学校を早退し、学校に集合しバスで出発しようとしたら、先輩教師から「学校前から出発したら迷惑だ。子どもたちが勉強に集中できなくなる」と言われたこともありました。あと、「教師はスポーツ少年団活動にかかわるべきではない。一部の先生がかかわれば、かかわっていない先生が一生懸命でない先生に思われる」などと言われたこともありました。
最初の頃は、私もカッカしてやりかえして、余計に炎上することがありました。しかし、そういった敵対勢力との争いについても、私は草野先生から学ばせていただきました。
自分から「歩み寄る姿勢」です。遠征に出かけるときは、職員朝会で言葉を選んで、「休ませていただくこと」「休んだぶんの宿題等はしっかりやらせる」などと、とにかく頭を下げて、「遠征に行かせていただく」という姿勢を貫きました。多分、以前の私からは、そんな謙虚さはなかったんだと思います。だから、バレーの活動が目立ってくることで、快く思わない人たちもいたのだと思います。
あと、気をつけたのは、必ず「お土産」を買ってきました。月曜日の朝会で御礼を述べ、その後、おみやげをもって先生方を回りました。そこでも休ませていただいことへの感謝の思いを言葉で伝えました。
そうするとかなりの抵抗勢力が減ってきました。しかし、それでも敵対視する人はいます。
そんな中、自分は敵を減らすことよりも、「味方を増やす」ことに力を注ぎました。学級の中で指導が困っている女子などをバレーで引き受けるようにしました。そして、生活面から鍛え、クラスの中でしっかりとした生活態度で貢献できるように指導しました。
周囲との摩擦を極力少なくするための努力・・・・
そんなことを学びながら、遠征などに出かけておりました。周囲との摩擦で悩んでいる先生方はたくさんいることと思います。自分から歩み寄る姿勢・・・。そんな視点も持ち合わせてみてはどうでしょうか。