第2616話・・・元監督・現教頭の視点(42)
2016年 05月 18日
「隠れたカリキュラム」
先週末も全日本小学生バレーボール大会の開閉会式の挨拶をさせていただきました。現役時代は、全くといっていいほど、記憶にありません。試合に向けて緊張していたから、それどころではなかったかもしれません。
しかし、今、逆の立場になると、どんなことを話そうか・・・・、いろいろと悩んでしまいます。ほとんど記憶に残らなくても、全力で準備をしろ! いつも直前までなかなか決まりません。
何回か挨拶をしているうちに、最近は周りを見る余裕がちょっとだけ出てきました。携帯をいじっている大人たちがこんなにたくさんいると思っていませんでした。選手は真面目に聞いていますが、指導者・保護者のスマホは、すごいです。
学校現場では、「かくれたカリキュラム」という考え方が最近注目されています。
・教師の言葉遣いが悪いと、子どももこんな言葉遣いでもいいんだと思うようになる。
・教師の机の周りが汚いと子どもも平気でゴミを捨てるようになる
○先生が子どもたちの前に立っただけで子どもたちが笑顔で集中する。
○伝統的に六年生の歌声がすばらしい学校で、子どもたちが「六年生のようになりたい」と思っている
などです。伸びていくクラスに共通しているのは、この「かくれたカリキュラム」にプラスの要素がたくさんあるのです。
反対に荒れているクラスに入ると、子どもたちが集中できないような「かくれたカリキュラム」が見えてきます。いつもジャージ姿、またはヨレヨレした服装、ボサボサの髪、目に力がない、表情に自信がない、一問一答的な発問、全体への視線の弱さなどです。
多分、バレーボールのチームにも「かくれたカリキュラム」の考え方はあてはまるのだと思います。
指導者の姿勢、謙虚さ、保護者の礼儀正しさ、体育館の使い方、選手の言葉遣い、玄関の掃除などなど・・・。たくさんあると思います。
練習中にスマホをいじっている保護者のいるチームは、多分、強くはならないだろうなあとも・・・・・・・。
「かくれたカリキュラム」、こんな視点で時々、チームを振り返ってみてはどうでしょうか?