第2610話・・・元監督・元教頭の視点(40)
2016年 04月 27日
【原点回帰】
いよいよ連休が始まりますね。現役だったころは、遠征と大会の連続でした。特に遠征では、今年の全国大会を狙うチームとの練習会に参加していました。「ビデオ撮影禁止」という独特の緊張感が漂う中で試合をしていました。体育館の雰囲気、指導者の熱い思いが入り混じり、何度行っても緊張したものです。
相手を寄せ付けない雰囲気を漂わせている指導者、反対ににこやかで低姿勢に挨拶してくる指導者、けどバレーが始まるとさっきの雰囲気はとごにいったの・・・と思うような豹変するタイプ、いろんな指導者に出会いました。
自分はどういうタイプだったか。自分も独特の雰囲気を漂わせていたのかもしれません。親から「先生、いつも以上に顔がこわい。顔マッサージしてあげるよ」とからかわれたこともありました。
小学生はこれから夏の東京体育館を目指して、地区予選が始まっていきます。また、中学・高校も三年生の最後となる中体連、インターハイを迎えます。どこの体育館に行っても緊張感が漂っていますね。
そんな緊張感とプレッシャーに押しつぶされそうになった時、私は「原点回帰」と称して、よくこんなことをしていました。
・バレーばかりになる連休だからこそ、バレーから離れる時間と空
間を創った。
・花見をしたり、遊園地に出かけて半日みんなで遊んだり・・・・。
・私の勤務地は海沿いの学校ばかりでしたので、海にもみんなで
出かけました。
ある時、選手からこんなことを言われました。
「先生、今日は息抜きの時間をつくってくれてありがとうございます。けど、私たちは大丈夫ですから。チームワークはどこにも負けません。だから、先生、また、厳しい練習でどんどん来てください」
また、親からは、
「先生こそ、たまに早く帰って、家で娘と奥さんの顔を見て、それから奥さんの手料理でも食べながら酒でものんでリラックスしてきてください。親たちもまとまっているから、心配いりませんよ」
こんな言葉をかけられたこともありました。
緊張感が漂う場面だからこそ、人のあたたかさにたくさん助けられました。そして、自分のバレー指導の原点をふりかえっていました。
「どうして子どもたちにバレーを教えているのか」
「子どもといる時間とその空間が自分にとっては大好きなところ。
そして親から預かった大切な子どもたちのために自分のできるこ
とを誠実に実行していきたい」
こんなことを連休中に考えていました。そして、きたるべき決戦に向けて、自分を見失わないようにしていました。
指導者の皆さん、時々は、「原点回帰」、バレーを指導しはじめたころ、初めて勝った時のこと、そんなことを思い出してみるのもこの時期なのではないでしょうか。
自然体バレーをコンセプトにして、誠実にひたむきにがんばっているみなさんの姿が目に浮かんできます。そして、悩み・苦しんでいる姿も・・・。みなさん応援しています! がんばってください!