第2581話・・・元監督・元教頭の視点(29)
2016年 02月 08日
【現在、勝っている指導者のみなさんへ】
どんな小さな山でも頂上にたどり着くことは、とても気持ちの良いものです。私も地区の山では、いつも頂上、その上の山でも頂上付近までいつも行っている時代がありました。
そんな時、私の周りには、いつもたくさんの人たちが集まってきました。そんな時を長く過ごしていると、どこか心が歪んでくるものです。
いつも自分が中心にいないと・・・・・。常に人からニコニコと好意的に対応されていないと・・・・・・。そんな思いに心が支配されていきました。「傲慢」になっている自分がいました。
勝っているときにニコニコと集まってくる人間は、全て自分の味方であるという錯覚に酔いしれていた自分。全ての人が自分のことをすごい指導者だと言ってくれていると勘違いしていた自分。こんなとき、崩壊の足跡はすぐそこまで迫っています。
自分も一度、頂上から転げ落ちて、けがをして学びました。人との信頼関係を築くのは、「勝つ」という結果ではなく、自分の生き方、言動、立ち振る舞いから、にじみ出るものがなければいけないと・・・。
そんなことを学んでから、頂上から落ちて、けがをすることもなくなりました。
勝っている指導者、出世競争で先頭にいる人、社長になった人、もうけている会社、繁盛しているお店・・・・、ここにあげたケースは、全て「勝っている」という共通項があります。
勝っていると、人は自分の実績を背景に「相手を支配しようとする」気持ちが強くなります。
そんな時に、「体罰指導者」は生まれると思います。また、ワンマン経営者、独裁者と言われるトップへと豹変していきます。
そして、思いやりと優しさが徐々に失われていき、相手に従順な服従を強いるようになってきます。
勝っている⇒支配欲⇒服従の関係⇒崩壊
という負の流れに乗ってしまいます。このようなバレーチーム、名門チーム、カリスマと呼ばれた指導者をたくさん見てきました。また、バレーだけでなく、一般の社会でも管理職、経営者の崩壊していく姿を見ました。
ここから抜け出すためには、「学び続ける」しかないと思います。進化し続けるのです。草野先生の生きざまがそうであるように・・・・。
自然体バレーとは、学び続ける仲間の集合体です。勝っている指導者の皆さん、一緒に学び続けていきましょう。