第2547話・・・元監督・現教頭の視点(15)
2015年 12月 08日
【転勤という選択肢】
もうすぐ平成27年度も終わりになります。年が明けると教師にとっては、異動の時期となります。私はこの異動についても、草野先生の教えに多大な影響を受けました。
影響を受けたフレーズが「破壊と創造」です。10年ほど前、自然体バレーに出会った時に強烈に印象に残った言葉です。過去の自分の指導法、実績にとらわれずに、常に進化し続けることの大切さを昔から草野先生は発信されていました。
しかし、これほど、難しい理念はありません。
以前は、公立学校においても、【部活天皇】みたいなタイプで生きていける時代がありました。これは、部活動さえ強くできれば、あとは、【学校の仕事なんか】ほとんどしなくてもよいという立ち位置です。ですから、公立学校でありながら、大幅に異動基準をこえても、10年以上も同じ学校に居座る教師が珍しくありませんでした。
しかし、しかし、しかし・・・・・。こういった部活指導に特化した教師が体罰をしていた背景はあったといっても良いでしょう。学校の中でも校長ですら文句が言えないポジジョンになっていました。そういった教師の後ろには、一部の熱狂的な保護者、選手、OBの存在があります。そういった人たちを敵にしたくないので、見て見ぬふりをする管理職は、以前はたくさんいました。
しかし、時代は急激に変化しました。現在、部活動に特化する人事は、なくなったといっても過言ではありません。部活指導だけで教師は生きていける時代ではなくなりました
文科省は、ここ数年、「チーム○○」というように組織体として機能する学校づくりを目指しています。
リーフレットにも「個人の教師に過度に依存する体制からの脱却」を掲げています。
私が考えてほしいのは、ずっと同じ水にいると、水はよどんで、いつかは腐っていくということ。普通の公立学校の部活動であるならば、いいところ6年ぐらいが指導の目安ではないでしょうか?
自分で強くしたチーム、苦労をして手塩にかけて育てたチーム、そんなチームを誰かに渡したくない・・・・。その気持ちは痛いほど、よくわかります。
私が草野先生に教わったのは、「山の下り方」です。登り方は誰でも教えてくれます。けど、下り方のことに目を向けている方は草野先生以外に私は出会ったことはありませんでした。
今、強いチームをつくって、チームに愛情を注いでいるすばらしい先生方、もしかしたら、転勤という選択肢で、また、違った景色が見えるかもしれません。
「前例がないというな。レールを敷く人間になれ」
こんな言葉も自然体バレーにはあります。新しいレールを敷く人間を草野先生は育成されています。
今日の講習会レポートで、「人間学」の大切さを説いていた草野先生。先生の本質を学びながら自分なりの結論を出してみてください。
ちなみに私も誰にも渡したくなかったチームを手離して、転勤の道を選びました。その時、先生にかけてもらった言葉が、「どこにいっても子どもたちをとことん愛してやってくれ」という言葉でした。
・・・・・・・・ 追記(草野) ・・・・・・・・・・・・・・
【山の下り方】
筋肉痛は登りより下りの時にくる。約1、3倍。
人生も下り坂がきついということ。
登っている時(苦労の多い時)は希望があるが
下っている時は不安がある。
登っている時は支えてもらえるが
下っているとは勢いがきつくて誰も支えられない。
下り坂は、加速を増して一気に転げおちる。
どんな英雄でも晩節を汚してはただの石ころ。
出処進退の心得
出る時は人から押し上げられて出よ
退く時は自らの意思で降りよ!
終わったのに未練がましくのこのこと出て行くな!
次の人がやりやすいことを考えることだ。
自分はまた新しい道を歩けばいいいじゃなあいか
過去ではなく未来を見つめるとは
新天地で新たな生きがいを見つけることだ。
生きがいが見つからない時は・・・・
バレー塾においで・・・😊
酒でも飲んで一緒に学ぼう!