「すべての現象は 自分の心の反映と思え」
と言い続けた稲盛和夫氏。
「会長が言わんとしていることを得心できるようになったのは、おそらく40歳をすぎたころだった様に思います」と言われるのは部下の森田直行氏。
「責任者というのは、壊れたレコードのように、同じ事を何度も繰り返して下の者に伝えなければいけないと言うのです。『何度俺に同じ事を言わせるんだ」という声はどこからでも聞こえてきそうですが、そんな事を言ってるようでは人の上に立つ人間としては失格で、むしろまた同じ事を言っているなと思われるくらい言い続けなければならない。そうすれば言われた本人は、いづれそのことを言われまいと行動する事で賢くなっていくというのが会長の考え方でした」(致知より)
歳取れば同じ事を繰り返すのとはちょっと違うようで・・・。
大事なのは
「思いは足りているか」
何かうまくいかないとき
その原因を人のせいにしているようでは話にならない。
大した事はできない人間になってしまうだけだ。
人に物を頼んで、思うように協力を得れなかった時
「自分の頼み方が悪くて思いが伝わらなかった」と
思えるようになると、次から少しづつ変わるだろう。
自分が若いときに上司から教えられたのはこのことだった。
自分が設計した装置を注文先に納める納期が迫ってきたが部品が足りない事が判明。私の発注ミスである。急ぎの部品調達が必要になった。会社には部品購入を担当する部署がある。当時は購買課というところだった。当時私が勤めていた会社は同じ敷地内に1万人が働いている工場だったので、注文伝票を運ぶにも専門の部署があった。いわゆる「社内郵便」みたいなところで、職場の入り口にあるポストに伝票をいれておけばその日のうちに相手に届くシステムになっていた。私は、自分の発注ミスで遅くなった部品を調達しなければいけない非常事態にも関わらず、伝票を書いて、上司の印をもらいこのポストにいれた。この様子を見ていた上司に烈火の如く怒られた。「お前、アホか!そんなことで納期が間に合うのか、急いでいるなら誠意を見せろ!お前のできる誠意はなんや、自分で伝票を握って、全力で担当者の所に走れ!そして直接お願いするんや」「ええか、必死で頼むんやで、息ハハアハア切らせながら、すみません、こうこうこういう事情でどうしても急ぐんです,何とかお願いします、と必死で頼むんや、それしか方法はない、それがお前のできる誠意や!人を頼ってどなするんや!」と怒られたのです。
40年前の話です。でも忘れません。凄いですね。若いときに受けたインパクトは。それ以来、「誠意を見せる、全力で取り組む」が仕事するときの基本姿勢になっているのは言うまでもありません。人に何かを頼む時、簡単にメールや電話で済ませるようでは大した事はできないのは当たり前。「いいわけ名人」をつくるのが関の山。
やっぱり「鉄は熱いうちに打て!」・・・甘やかしているとなまくら刀しかできないのと同じで、20歳代で、目の覚める様な衝撃的な教えを受けたいものです。
これが「愛のある毒」