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by kusanokenji
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第2026話・・・梓からのメッセージ

「こんなに可愛いっちゃもん。
いてくれるだけでいいやん。
なんもできんでいい」。


昨日は久しぶりに「致知」を持参して週1回のトップレベル教室に橋本まで。
電車の中で何気なく、本を読んでいたら釘づけになってしまいました。
長いので前半だけ紹介します。
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「あずさからのメッセージ」
是松いづみ(福岡市立百道浜小学校特別支援学級教諭)
~『致知』2013年2月号 致知随想より~
十数年前、障がいのある子がいじめに遭い、多数の子から殴ったり蹴られたりして亡くなるという痛ましい事件が起きました。それを知った時、私は障がい児を持った親として、また一人の教員として伝えていかなくてはならないことがあると強く感じました。そして平成十四年に、担任する小学五年生の学級で初めて行ったのが「あずさからのメッセージ」という授業です。梓は私の第三子でダウン症児として生まれました。梓が大きくなっていくまでの過程を子供たちへの質問も交えながら話していったところ、ぜひ自分たちにも見せてほしいと保護者から授業参観の要望がありました。以降、他の学級や学校などにもどんどん広まっていき、現在までに福岡市内六十校以上で出前授業や講演会をする機会をいただきました。梓が生まれたのは平成八年のことです。私たち夫婦はもともと障がい児施設でボランティアをしていたことから、我が子がダウン症であるという現実も割に早く受け止めることができました。迷ったのは上の二人の子たちにどう知らせるかということです。
私は梓と息子、娘と四人でお風呂に入りながら「梓はダウン症で、これから先もずっと自分の名前も書けないかもしれない」と伝えました。
息子は黙って梓の顔を見つめていましたが、しばらくしてこんなことを言いました。
さあ、なんと言ったでしょう?

という私の質問に、子供たちは
「僕が代わりに書いてあげる」「私が教えてあげるから大丈夫」と口々に答えます。
この問いかけによって、一人ひとりの持つ優しさがグッと引き出されるように感じます。
実際に息子が言ったのは次の言葉でした。
「こんなに可愛いっちゃもん。いてくれるだけでいいやん。なんもできんでいい」。
この言葉を紹介した瞬間、子供たちの障がいに対する認識が少し変化するように思います。自分が何かをしてあげなくちゃ、と考えていたのが、
いやここにいてくれるだけでいいのだと価値観が揺さぶられるのでしょう。

  <中略>

授業の中で、梓が成長していくことに伴う「親としての喜びと不安」にはどんなものがあるかを挙げてもらうくだりがあります。黒板を上下半分に分けて横線を引き、上半分に喜びを、下半分に不安に思われることを書き出していきます。中学生になれば勉強が分からなくなって困るのではないか。やんちゃな子たちからいじめられるのではないか……。将来に対する不安が次々と挙げられる中、こんなことを口にした子がいました。「先生、真ん中の線はいらないんじゃない?」理由を尋ねると「だって勉強が分からなくても周りの人に教えてもらい、分かるようになればそれが喜びになる。意地悪をされても、その人の優しい面に触れれば喜びに変わるから・・・・」。
 これまで二つの感情を分けて考えていたことは果たしてよかったのだろうかと自分自身の教育観を大きく揺さぶられた出来事でした。子供たちのほうでも授業を通して、それぞれに何かを感じてくれているようです。「もし将来僕に障がいのある子が生まれたら、きょうの授業を思い出してしっかり育てていきます」と言った子。「町で障がいのある人に出会ったら自分にできることはないか考えてみたい」と言う子。「私の妹は実は障がい児学級に通っています。凄くわがままな妹で、喧嘩ばかりしていました。でもきょう家に帰ったら一緒に遊ぼうと思います」と打ち明けてくれた子。その日の晩、ご家族の方から学校へ電話がありました。「“お母さん、なんでこの子を産んだの?”と私はいつも責められてばかりでした。でもきょう、“梓ちゃんの授業を聞いて気持ちが変わったけん、ちょっとは優しくできるかもしれんよ”と、あの子が言ってくれたんです……」。涙ながらに話してくださるお母さんの声を聞きながら私も思わず胸がいっぱいになりました。

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続きは本を読んでください

縁あってこのブログを読まれた方もいろいろ感じられたと思います。
僕も感じるところがいっぱいありました。
そうなんです。
そばにいてくれるだけでいい・・・・
理屈を通り越えた愛情。

素晴らしい授業に感動しました。
ありがとうございました。
by kusanokenji | 2013-02-01 09:53 | ■連載“日々努力”