第1995話・・・かっこいい!とは
2012年 12月 13日
令色はつくり顏
そういう人は誠実が少ない
巧言令色(こうげんれいしょく)、すくなし仁(じん)!
剛毅木訥(ごうきぼくとつ)、仁に近し!
安岡定子さんは次のように解説されています。
「私は大人のみなさんにこの言葉を理解していただくために『巧言はお世辞、令色は相手に気に入れれようとするつくり顔と思ってもらったらいいと思います。そういう人に限って誠実さが少ない、という意味です。』とお話しします。剛毅(ごうき)とは『自分の決めたことをやり遂げようとする意志の強さ』、朴訥(ぼくとつ)は『口べたで上手に表現できなくても行動が立派な人』と説明し、『ただ口だけの人より行動が立派な人が素敵ではないですか』と説明すると、みなさんうなずいてくださいます。
しかし、子どもに説明する時は意味を細かく説明するのではなく、例えば『お友達に気に入られようと思ったり、この子と仲良くしていたら何か得しそうだなと思ってニコニコするのはよくないでしょ』と質問すると、皆口をそろえて「よくない、よくない」という答えを返してきます。あるいは『この人が本当に自分のことを思って怒ってくれているのかどうか、ちょっと話をしたらわかるでしょ』と聞くと『分かる、わかる』と一斉に答えます。子供たちは大人以上に人の心に敏感なのかもしれません。剛毅木訥について話すときは、口下手とか恥ずかしがり屋さんとか、子供たちがイメージしやすい例をあげながら『少しくらい口下手でも優しい人の方が素敵でしょ。だから思いやりのある行動を取れることが大切です。ハートの温かい人になりましょうね、といった表現をします」
以前、あるバレー塾でのことです。
小学校から高校生まで参加していました。
男子高校生は選抜チームと単独チームも参加していました。
選抜チームの男子選手たちの行動に内心、ムッ!としていました。
あきらかに自惚れ態度、真剣さを欠く態度ありありだったからです。
一方の単独チームはそれこそ剛毅木訥なチームです。黙々とやっていました。
あるドリルで、小学生の前で、黙々とやる高校生に見本を見させました。
本当に手抜きせずに、基礎練習に取り組んでくれていたからです。
そして小学生達に聞きました。
「どうですか、この高校生、恰好悪いですか?」と聞きました。
ほとんどの小学生がだまって首を横に振りました。
続けて「恰好いいと思う人、手を挙げてください」と質問しました。
すると一斉に手が挙がりました。
子供たちに、かっこいい、悪いの区別、判断ができた瞬間です。
「本当にかっこいい人というのはこういうことを言うのですよ。自分はうまいと思って下手な人をバカにしたりしないでしょ。小学生でもできる練習をこんなにも真剣にやっている高校生の姿は恰好いいでしょ!人からバカみたいに思われるほど真剣に頑張る姿は本当は恰好いいんだよ!これがホンモノだよ・・・」と話しました。
高校生の黙々とやる姿に場内すべての人が感動すら覚えていたのです。
まさしく「修行」の中に出てくる中学生みたいだったのです。
次の日、斜に構えていた選抜の高校生も見違えるようになっていました。
その姿を見て「あのとき、思えらもっと真剣にやれ!」と怒らなくてよかった、と思いました。
中学生の「修行」
久々にいいものをみせてくれてありがとう、という気持ちです。