第1954話・・・試合よりも練習したい
2012年 12月 12日
思わせる指導をせよ!
日本スポーツ少年団の研修会で役員さんと次のような会話をしたことがあります。
「真の指導力とは試合に出るより練習をしたい、という選手をつくることですね」と言ったら「エッ!試合に出ないスポーツなんてそんなの考えられない!試合があるから頑張れる、僕らには試合なしは考えられない!」と反論されました。「いやいや、試合に出るな、と言っているのではなく、魅力的な練習をする指導力を身につけましよう、という意味です」と、それ以上話を進めなかったが、こういう話は刺激的なようでした。
ふりかえって昨今の男子中学生バレーボールの部活は全国的に衰退しています。どんどん人数が減って、部活そのものがない中学校が多いようです。親や指導者たち大人は「なんとかして試合にださせてあげたい」と動きます。そこで考え出されたのが「合同チーム」。複数の学校の選手が集まってチームを結成し試合に出るものです。
先日のバレー塾でも「3年生が卒業したら部員が二人になってしまった」という中学校がありました。その二人をなんとか試合に出させてあげたいと思うのは関係者の心情です。そんな話を聞いて僕は
目先の試合に出る目標よりも
目標を先に置いたらどうですか?
一瞬、エッ?という顔をされましたが、すぐに納得されたようでした。
最近は高校生で初心者の入部生徒さんも多く見受けます。
そういう時代です。
小学校からバレーを始めてバレーが好きになって、高校でもやりたい!
もっと上でやりたい!
しかし、中学校では二人しかいない・・・という現状・・・ともすればくじけそうになりますが
これはチャンスとしてとらえましよう!
目の前の新人戦がどうのこうのと、試合に出るのが目標でなく
高校で活躍するための基礎工事をみっちりやる!
こういう目標に切り替えることです!
そういう話をしました。
次の日、本人たちを見ました。
原石でした!
磨けば光る原石でした!
心がピカ一でした。
相当な覚悟もありました。
修行の道を歩め!とアドバイスしました。
何年か後には、きっと
「あのときの『修行』のお蔭で今がある」
となるでしょう。
今どき「修行」なんて古い言葉ですが
でも、少年たちはそれを実践しているんですよ。
僕たち大人も頑張りましよう!