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by kusanokenji
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第1739話・・・克己心(こっきしん)

「ものを作る前に人をつくっています。併せて電器製品も作っています」
知っている人は知っている、ご存じのフレーズ。

「あなたは、あなたの指導者から何を教えてもらったのですか?」
この質問にどう答えるか興味のあるところ。
「決めろ!」と言われ続けられた。
「あげろ!」と言われ続けられた。
「そう言われれば何も教えてもらってない」

かっての自分と同じような回答を生徒・選手に言わせてはいけない。
そういう意識を忘れずに子供と向き合いたいものである。

昨日のトップレベル教室
体育館についたら例のごとく2011ウオーミングアップをしていたが
どうもパアーッとしない。いわゆる「ダラダラ」である。
「はい、集合!」と集める。
「きみらは『こっきしん』って知ってるか?」から始まった。

「しらない」との返事。中には「国旗の心」と書くのですかとも(笑)。
「じゃ今から知れ、すぐ調べろ!」と応酬。
さーっと散る子供たち。
携帯で調べたり、親に聞いたり、指導者に聞いたり・・・。
結局、自分の心の中の「良い心が悪い心に勝つこと」
に到達するまで30分の時間を費やした。練習よりも大事だと判断してのこと。
今日、このタイミングを逸しては心の教育はできないと思ってのこと。

最初は「自分の欲望を抑える心」「自分の弱い心に負けない」
「悪い心をやっつけること」「邪念に勝つこと」などと言ってきた。
「それは辞書の答えやろ、じゃあ、自分の欲望ってなに?悪い心って何?」
また散って調べたり相談したり・・・・そんなやり取りを繰り返す。

「だらだら喋りながらウオーミングアップしていた」
「黙々コツコツやっていなかった」
「弱い自分に負けていた」
「さぼりたい自分が勝っていた」と次々と言ってくれる子供たち。
「そうやな、自分の良い心が負けていたな・・・・」
とこんなやりとりの30分。
いい時間やった。
小学1年生の脳の中にも「克己心」がインプットされた時間やと実感した。

◆きみらが強い高校でバレーするとするわな。殴る蹴るの厳しい指導を受けるとする。ガマンする。・・・しかしこれは本当の克己心と違うねん。外の力を借りてるやろ。自分の意志と違う。やらされているだけの話や。怒られないと頑張れない人間になってしまう。これが問題や。弱い自分と戦っていない。怖い指導者と戦っているだけや。怖い指導者がいないと自分で考えてできなくなる。克己心ってすごく大切やな。
◆家でお母さんに「勉強しなさい」「片付けなさい」と言われた時、「ムカつく!」と思うか、「注意してくれてありがとう」と思うか、どちらが克己心がありますか?すかさず「ありがとうです」と答えてくれる子供たち。いい雰囲気が伝わってくる。横向いている子供がいない。みんなが同じ方向を向いている空気を感じる。教育の手応えを感じる。
 「ムカつく」のは良い心ではないな。「ありがとう」と言えたらそれが克己心やな。そう思えたら「ヤッター!!」と心の中で思えばええ。小学生でこれが出来たらすごいぞ! (ちなみに参加者全員「克己心」という言葉を知らなかった。勿論中学生も。これが今の教育?って思ったけど)あんな、パナソニックという会社、知ってるやろ。そうや、テレビとか作っている会社や。そこの最初の社長さんの松下幸之助さんという人はな、「松下は何を作っている会社ですか?」と聞かれたら「物をつくる前に人をつくる会社です」と教えていたんやで。では「あなた達はバレーボールを通じて何を学んだのですか?」と聞かれたら何て答える?(すぐ「人間学を学んでます」と即答が出る。)そうやな「バレーを通じて自分の生き方を学んでいます」と答えれるようにしたいな・・・。
そんなことを子供たちと一緒に勉強しました。

「克己心」
知識だけで終わらせるのでなく、目の前の小さな出来事の中で実践。
知識だけでは「運動会の借り物競争」と同じ。
心と脳にインプットして、自分のものにしてもらう。
指導って、このプロセスがおもしろい。
奥が深い。
無垢な子供の心が消えていないこの間にすることはいっぱいある。
心に届く指導を心掛けたい。
by kusanokenji | 2011-10-21 09:47 | ■連載“日々努力”