第1718話・・・双葉
2011年 09月 16日
コントロールのいい人、暴投を投げる人がいる。
手元の小さな狂いが、キャッチャーに届くころには大きな狂いになる。
地表に出てきたばかりの双葉。
朝顔の双葉かひまわりの双葉か、その違いはわからない。
しかし3か月後には全然違った姿になる。
会社の新入社員。
黒のスーツに身を包んだ同期入社社員。
金太郎アメで仕事のできる人間かそうでないか見分けがつかない。
しかし10年もすれば上司と部下の関係になる。
上下揃ったジャージに身を包み、短い髪型。
挨拶も大きな声、元気な声。
誰がレギュラーかそうでないか見分けがつかない。
誰がピンチに強いかそうでないかは見分けがつかない。
赤ちゃんが笑うと周囲の人が喜ぶ。
赤ちゃんはみんな可愛い。
しかし10年もすると姿かたちが激変する。
高校生の時は純粋で素直な選手。
1年後、街で会ったら誰かわからない。
どうして?
手元の狂いは小さいけれど、しかし時間が経てば大きな差を生む。
だからこそ小さな時に「考え方」や「思い違い」は正したほうがいい。
子供だからこそ「いい話」と「いい躾」が大事になる。
昨日の小学生のトップレベル教室。
集まっているのは地表に出たばかりの双葉の芽。
技術や体力だけでなく心にも栄養を与えなければ育たない。
なぜかみんな活き活き楽しそうだった。
バレーが上手くなるのも喜ばしいが
話を聞けなかった子が話を聞けるようになることも喜ばしい。
運動神経がよくないと思って落ち込む必要はない。
持って生まれた素質なんてせいぜい2倍か3倍の差でしかない。
それより「やる気」だ。
やる気の違いは100倍にも1000倍にもなる。
その「やる気」がこれからの人生では大切なんだよ。
そんな話を交えながら3時間が過ぎた。