第1716話・・・十歩先を歩め
2011年 09月 13日
一歩先では近すぎて背中が見えず、
百歩先では遠くて背中が見えない。
十歩先ぐらいがちょうどいい。
指導者は背中を見られていることを自覚することだ。
明治維新の偉人は背中で語ると言われたものだ。
遠すぎても近すぎても背中は見えにくいもの。
車の車間距離みたいなものだ。
10歩ぐらいがちょうどいいだろう。
選手や部下から「ついていきたい」と
思わせる距離を保つことだ。
近すぎると傷つけ合い、
離れると孤独になる。
人間関係の距離とも重なる。
車のエンジンの回転とタイヤの回転に差があるように、
足は10歩先を進んでいるが
脳の中は100歩先を走っている感覚を忘れないことだ
さりとて、吉田松陰曰く
「大声で叱るは貫禄のない証拠。
真に人格者ならば叱らずとも心服する筈。」
相手を見下すのではなく、弟子のことを、
「同じ道を数歩遅れてくる者と考えていた。」
門弟の人々を共に歩む者として扱い、
けして相手を見下すようなことをしなかったようである。