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by kusanokenji
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第1710話・・・選択肢

上に行くほど
 選択肢が少なくなる


全国大会でトップ争いをしているチームの標的は常時ベスト4に入っているチームだ。それ以外は眼中にない。みんな自分の上にいる相手を倒すことしか頭にない。下になるほど標的は多くなるし、上にいくほど標的は少なくなる。どの世界も同じだ。きつい世界だ。病気になる。

目標は全国制覇というチームは多い。言うのは簡単だ。目標はでっかいほどいい。誰の制限も制約も受けぬ。しかし現実はそうはいかない。いざとなったら予選からビビるのが普通。予選から小さなミスに怒りまくっていては全国制覇は無理だろう。本気で全国制覇を目指すならまず指揮官が相手の指揮官を超えることだ。常に上位にいる指導者とそうではない指導者の違いは目に見えないところに大きい隔たりがある。だから常勝チームが出現するのだ。常に勝っているチームの監督は「努力している」なんて言わない。「勝ちたい」なんても言わない。ましてや「どうしたら勝てますか」なんて聞かない。「勝つためにやっている?」・・・・・そんなの当たり前だからである。しかしその中でも、勝つためのプロセスを通じて、人間を磨いている監督もいる。ここが違う。こういう監督は人当たりが″おだやか″だ。変に威嚇したり、偉そうにしない。自信がない人ほど偉そうにすると思ったら間違いない。そういう人が多いので気をつけよう。そういう人のそばから離れるのが無難だ。くわばら~、くわばら!と離れることだ。逆に腰が低く、人あたりが柔和で慈悲の眼差しを相手に注げる人は人間ができている人だ。そばにいるだけで大切なものを学べる。そういう雰囲気がいいな。
常に勝っているチームとそうでないチームの差は日常生活の中にある。毎日の生活や練習の中にあるということだ。その結果がコートに出るだけの話。

山のてっぺんに近くなるほど見える景色は狭くなる。
上を見上げるとてっぺんに近いほど見える景色は「そびえる絶壁」だ。
この絶壁を登らない限りてっぺんにたどりつかない。
だから常人が想像を絶する訓練をするのだ。

しかし、やっとこ、その絶壁を登って、てっぺんに立ってからが大変だ。
絶壁の向こうもまた絶壁だからである。
絶壁は登るより降りる方が難しいのだ。
奈落の底に転げ落ちないことだ。

賢人は「夢よ再び!」の夢を見ない。
賢人は谷底に通じる道を自ら選択する。


谷底には、てっぺにない素晴らしいものがあることを知っているからだ。
自分もそういう人生を歩むのが理想だと思っている。

上にいくほど大変なのはスポーツだけではない。
勉強の世界も同じだ。
30点を70点に引き上げる努力は比較的簡単だ。
しかし90点を95点に引きあがる努力は半端じゃない。
ましてや95点を100点に引き上げる努力は想像を超える世界だ。

裾野にいると山全体が見える。
登る道がいくつもあるのが見える。
いわゆる「選択肢」がいくつもあるということ。
初心者ほど選択肢が広がるということ。

「初心者ほど選択肢が広がる」・・・ここが重要なのだ。
小学生はまさしく、山のすそ野に立っている状態。
小学生の指導者はその選択肢を狭めてはならぬ。
伸びる可能性を狭めてしまうことになるからだ。

小学生の間は、すそ野を1週するくらい走り回るくらいでいい。
最短距離で前壁に向かってまっすぐ登ろうとすると
いつかどこかで転落するだろう。
by kusanokenji | 2011-09-06 09:30 | ■連載“日々努力”