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by kusanokenji
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第1649話・・・お礼と感謝

1歳児の子供がお母さんから「お礼は!?」と催促されると腰から「ペコン」とお辞儀する。
なんとも可愛いらしい仕草である。
そういえば一時流行した「反省はサルでもする」の仕草も可愛らしい。

「お礼」は人に言われてできる仕草でもあるが「感謝」はそうはいかない。
「感謝しなさい!」と言われてもどのように表現すればいいかわからない。

「お礼」は心の中とは無関係にマナーとして表現できるが
「感謝」はマナーや礼儀では片づけられないようである。

「感謝」は自然に心の中に湧いてこそ感じれる感情のようでもある。
心の中に「ありがたい感情」が湧いてこないのに「感謝しなさい」と言われても
それは無理というもの。

では、「感謝」の心はいつ感じれるのか、いつ芽生えるのだろうか?
例えば、苦労の末優勝した選手のインタビューで必ず出てくるのが「感謝の言葉」。
それを見ているとどうも「感動」と「感謝」はセットのようである。
嬉しいときに一緒に生まれるのが「感謝」かな?
または、病気を克服したときとか、困ったときに助けられた時とか・・・。
そういえば、うまく行ってないときに「感謝しろ」と言われても確かに無理だ。
ミスばかりして、ちっとも上達しない選手に
「周囲に感謝しろ」と言っても・・・・本当はどうだろうか?
どうも説教とセットでは感謝の心は生まれそうもないようである。
NHK連続朝ドラの「おひさま」の陽子ちゃんの教師としての指導。
「物を大切にしなさい」と教える場面や「弁当を盗んだとき」の対処など
とは随分違う。納得性がない。

つまり、
「感謝」は自分の体験によって生じる感情であって
けして人に言われてできるものではないということ。

それなのに我々は「感謝しなさい」「感謝が大事」と子供に求める。
しまいには「感謝しろ!てめぇら~!」と怒ってしまうのが関の山。
相手に届くメカニズムを研究してから指導の言葉を選ぶのが大切なようである。
by kusanokenji | 2011-06-01 09:14 | ■連載“日々努力”