第1631話・・・入部一週間が大事ですよ!
2011年 05月 06日
悪しき慣例を正さないと
選手は育たない!
5月!
中学校の部活では部活の「仮入部」から「正式入部」が始まる。
新鮮で、新しい風が吹くいい季節のはず・・・・・。
以前、こんな場面に出合ったことがある。
いつものバレー塾。
みんな笑顔なのに、壁に立って下向いている集団があった。
「どうしたの?」と聞いた。
「・・・・」
何を聞いても黙っている。顧問に聞いた。
「一年生全員がやめたいと言ってきたんです」
「えっ、まだ入部して一週間だよ、何があったの?」
「え~とそれがよくわからないんですが、先輩との関係みたいで・・・」
顧問はまだ新米。状況も部活の「しきたり」もよくつかめていないらしい。
そのチームのことをよく知っている他のチームの顧問が教えてくれた。
「あそこは古き伝統があるんです。先輩のお世話は後輩の仕事。例えば、先輩の服は後輩がたたむ。脱いだ靴はかたずける。物を渡したりもらったりするのは必ず両手を添えて頭をさげる。先輩には身の回りのことやチームの雑用をさせてはいけないんです。極めつけは・・・・・」とそんな話をしてくれたのです。当然、後輩は能力があっても練習も試合も先輩主体。先輩のお世話とボール拾いが主な仕事。途中でアホか!とムラムラしてきました。(笑)
その日のバレー塾は一日かけて心のメンテナンス。
理不尽な伝統、誰がみてもおかしな伝統は捨てなさい!
時代にあった伝統を作りなさい!
自分たちが納得するものをつくりなさい!・・・・という話になった記憶がある。
中学校の部活はこの時期(5月)が大切だ。
ともすれば一年生は先輩のサポート役に回されて、声出しかボール拾い。
試合が多いのでどうしても先輩中心の練習になるからである。
一年生は隅っこでパス練習とかが関の山。
しかし優秀な一年生を特別扱いすると別な問題も生まれる。
どうすればいいか悩んでいる顧問は多いはず。
さてさて、この新入部員を迎える時期の中学校、高校の部活運営・・・・
どうすればベストか?
その持っていきかたで随分と違ってくる。
先輩には自信と誇りをもたせ、自己成長への足掛かりにする。
一年生には新鮮さとやる気、そして先輩への尊敬の念を持たせる。
こういう「絆」や「今後の方向性」をつくるのにチャンスなのだ。
たった3か月の一年生と三年生の交流期間が大きいのだ。
ここを考えた指導が、指導者の腕の見せ所。
集団としての規律や常識など、先輩から教えてもらうチャンスが目の前にある。
ただ漠然と、チーム練習を優先し、後輩は声だしとボール拾いでは話にならない。
よき集団として機能しない。
人生の中でも大きな環境の変化に直面しているのが中学校の一年生。
「最初の一週間を黄金期とせよ!」である。
つづく