第1399話・・・地域密着型ママさんバレーチーム
2010年 05月 31日
全国津々浦々、「コンビニがなくてもママさんバレーはある」と言わしめるほどの勢い。
仕事の疲れ、家事の疲れを発散すべく身近なレクレーションとしての地位は揺るがない。
疲れのリフレッシュだけではなく、心のリフレッシュにも一役買っているのも魅力の一つ。
話せる仲間がいる・・・・これだけでもどれほど心強いか・・・。
スポーツコミュニティとしての存在は殺伐とした現代社会にあって精神安定剤の役割もある。
しかし、指導者不足による練習のマンネリ化、故障者の増大、部員不足、高齢化、生活との両立、閉鎖的な考えなどいくつかの問題点も抱えてはいるもののパワーはまだまだ健在。
そんな中、ママさんバレーチームの新たな取り組みを見た。
新しい価値創造というのであろうか、地域の小中学生の面倒をみるという姿であった。
チームは、山形県北部、鳥海山の麓にある遊佐町のママさんバレーチーム。
その名も“遊佐(ゆざ)クラブ”。「ゆさ」では「なく「ゆざ」と読む。
歴史は古く、10年ほど前には全国大会にも出場した名門チーム。
5月29日、30日と「遊佐クラブ」主催の2回目の自然体バレー塾を開催。
そこに集まったのは庄内地区(遊佐、酒田など)から約200名の小中学生たち。
本来なら我がチームの強化練習をしたいところであるが、この両日はもっぱら世話役に没頭。
小中学生の中には初心者も多く、動きの基本さえわからない選手が多い。
そんな選手を手取り、足取り、懇切丁寧に、まるで優しいお母さんになって指導されていた。
まるで10年先、20年先のママさん選手育成講習会みたいである。
ともすれば、我がチームだけの損得勘定を考える狭い了見に陥りやすい状況にあって
地域の主婦が、地域の小中学生の掘り起こし活動に携わっている姿は新鮮かつ斬新でもある。勿論、指導内容は「故障しない動き方、体の使い方」が主流であることはいうまでもない。
地域に住んでいる主婦が、地域で育っている小中学生を指導する・・・・
これこそ「地域密着型ママさんバレーチーム」であり、地域教育力の復活であり、
教育再生力と地域活性化の起爆剤ではなかろうかと思った次第である。
・スポーツは社会に溶け込むこと。
・社会性に明るい人材を育てること。
この二つがとても大事である。
聞くところによるとこの”遊佐クラブ”は、週に1回は小学生チームと合同練習もしているとか。
どうりで、子供たちの指導ぶりが慣れている筈だとガッテン!
さらにはチームの選手が、中学校の外部コーチをしたりしてその信頼度もかなりのもの。
今回の講習会でも、その保護者もギャラリーで最初から最後まで参加されており、まだまだ
規模は小さいものの、保護者まで巻き込む姿には未来への希望を感じさせる。
