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第1237話・・・三つの納得

「萱葺きの一軒家まで・・・」とは、小生が在籍していた頃まではあった会社の気風。
松下幸之助の教えでアフターサービスの心得を説いたもの。最近は?

「送り迎えの保護者までもが納得する指導を・・・」とは、自然体バレー塾が説いている小学生、中学生、高校生を指導する指導者の心得。わかりやすく、理にかなったことを指導せよということ。そのためには「本を読み、人の話を聞き、自分で考える」ことをしなければいけないのだが、「人の話は聞かない、本は読まない、難しいことは考えない」そういう人が多いのもまぎれもない現実。あ~あ、とグッタリする。

「三つの納得」とは、自然体バレー塾の講義で必ず出てくる指導者としての根本の考え方。

******************
*  1、選手が納得できる指導をせよ  *
*  2、周囲が納得できる指導をせよ  *
*  3、世間が納得できる指導をせよ  *
******************

この3つの納得を獲得することが成功を導き出す秘訣である・・・と説く。
実業団の監督は2番目の「周囲の納得」にエネルギーを吸い取られる。
周囲とは会社であり、職場の同僚(従業員)である。
この二つ(会社と従業員)の共感、応援を受けないチームは廃部に追い込まれるからである。
そのためにチームとして涙ぐましいあらゆる努力をする。
実業団は勝つだけではダメなのである。愛されなければ。
それも最近は会社や従業員といった身内だけでなく世間、社会に愛されなければいけない。
いわゆる「世間の評判」が大事なのである。
したがって強化以外に「社会貢献と人間性!」、そういうものに心血を注ぐ。
なぜ?  それはチームを経営するためである。
人が動けば金と物が動く。金と物を提供してくれるのが会社と従業員。
会社が株主に気を使うのと同じ。経営とはそういうものなのである。
従業員にお金を払わせて仕事をさせる会社はない。

チームは「経営」なのである。それは学生のチームも同じだ。
学生のチームは保護者の援助、協力無しでは部活動は成立しない。
誤解を恐れないで言えば、しかしながら指導者は
そこまで保護者を大切にしていないのではないかと思うときが多々ある。
勿論、誠意ある指導者が沢山いることも熟知しての話であることを申し添えておく。

「あんたの子供を教えているのだから協力して当たり前ではないか」と高圧的に感じる
時がある。どちらかと言えば強化に力を注いでいるチームにその傾向が強いが
それは見ていてちょっと苦しいな。本当は心が通ってないんじゃないかと思う節が多々ある。
勿論そうばかりではないが、総体的にそう見えるのである。
保護者は我が子の進路の問題があるので、少々のガマンは仕方ないと思っているようだ。
そこに指導者が成長できない原因があるように思えるのだが親の立場になればそれも
仕方ない。かくして、親子ともども指導者との葛藤に明け暮れる3年間で終る人もいる。

一番目の納得も得れず、二番目の納得も得れなくともチームは存在している現実。
しかし、その陰では親子で泣きの涙にくれていることも忘れてはいけない。
少しでもそういうことから解放されることを願いながら
今日も全国のどこかで辻説法ならぬ辻講義、辻教室を続ける毎日である。
by kusanokenji | 2009-11-03 09:09 | ■連載“日々努力”