第1187話・・・ジェントルマンシップ
2009年 08月 16日
石川遼君と外国人がプレーオフで戦い、外国人がボギー出した時
観客席から拍手が起きた。これがマナー違反だとして、協会は外国人
に謝罪した・・・・という報道を読んだ方も多いと思う。
石川遼君も「ゴルフは紳士のスポーツなのでマナーは守っていきたい」
とコメントしていたが、さすがだ、と思わずバレーボールと比較してしまった。
バレーボールの試合はそうではない。
小学生の試合でも、相手のミスに対してベンチ・観客・親子総出で喜ぶ姿は日常茶飯事。
まるで鬼の首でもとったような大騒ぎ。味方のミスでもヤジや罵声、落胆の
声は容赦なく浴びせられる。本当にこれでよいのだろうか。相手の不幸を喜ぶことを
子ども時代から植えつけられて育った子供の未来はどうなるのだろうか?
最近では審判も「ベンチコントローラー」というベンチ見張り番みたいな役割をつけて
その対応をしているみたいだが、しかし旧態依然としてマナーの悪さは改善されない。
スポーツを通じて心優しい大人、強くて逞しい大人、勇気のある大人との出会いが
教育上素晴しい出会いとなることは夢の話なのだろうか。
大人の立ち居振る舞いに憧れを抱くのが子ども時代には大切なことだと思うのだが、
バレーボールで繰り広げられる大人の応援の姿は、ゴルフの応援とは隔世の感がある。
なぜゴルフが世界的に人気があるのかと考えざるを得ない。
僕はゴルフをやらない。
なぜなら「山を切り開き、芝生の手入れに薬を使って自然破壊だ」みたいな
理由もあったが、それを除けばゴルフは素晴しい紳士のスポーツだと思った。
ジェントルマンシップ!
そういえば、青森県の弘前一中の教育目標は「ジェントルマンシップ」。
そこでの講演会で次のような話をさせてもらいました。一部紹介します。
『そこで僕なりにジェントルマンシップについて考えてみました。ジェントルマンシップとはどんなことを言うのかと・・・。それはね、まず他と争わない、スポーツで勝負の決着をつけるのが目的ではないということです。動物は生きるか死ぬかの決着がつくまで闘争しますが、人間が行うスポーツは勝つか負けるかの決着をつけることを目的としているものではありません。全力を尽くすこと。全力でプレイすることなんです。そして全力で戦い終えたら相手と握手をする心、相手に敬意を表す思いやりの心を行動で表すこと。
それを実際に行っているのがラグビーなんです。ラグビーのノーサイド精神というやつなんです。そしてもうひとつがサッカーです。日本のサッカーが弱かった時、確かクラマーさんて言われる方かな、その人が言われるには「サッカーは子供を大人にし、大人をジェントルマンにする」と言われた有名な言葉があります。
それは40年ほど前の話ですが、62年も前に中学校の教育目標を「ジェントルマンシップ」にしたというのはよほど見識が高いか先見の明があったのかいづれにしても素晴しいと僕は思いました。僕の監督時代もそうでした。試合が終って挨拶してベンチに帰る前に相手のベンチに挨拶をさせていました。自分のベンチや応援席よりも相手に先に敬意を表することです。ボクシングなども終了ゴングと同時に選手同士はリング上で抱き合いますね。そして互いのコーナーに出向いて相手のセコンドに挨拶をします。そういう精神ですね。これがジェントルマンシップであり、スポーツマンシップでもあるわけです。本当に観ていても気持ちが爽やかになります。今、テレビで高校野球なんかみていてもそうではない。相手よりも味方の応援席に先に挨拶に向っている。あれれ?と思います。これでいいの?なにかおかしくない?これじゃ相手を敬う精神が育たない。僕はそう思います。ジェントルマンシップというのは、味方応援席より先に相手に敬意を表し、互いに健闘を称えあう精神が大事です。それはベンチも同じです。だから僕は試合が終ったら自分のベンチよりも先に相手のベンチにも挨拶させていました。ところが最近のスポーツはそういう場面が見れない。勝ったらハデなガッツポーズで味方と一緒にバンザイをする。あれじゃ精神は育たない。だから君達が1週間後に総体の試合を控えているのならば、この辺から始めてみてください。
今日は、この初代の校長先生がどんな思いでこの教育目標を掲げられたのか、私は私なりに、その時の気持ちになって自分の話をしたいと思います。そして、あれも話す、これも話してもみなさん眠たくなり最後に何も残らないのでは困るので、私がいいと思った話を10個します。あとで感想文を書くのでしょう。その中からいいなと思った話や心に残ったことを書き留めたらいかがでしょうか。では第1番目からいきます。』
道徳や倫理社会、ホームルームだけではなく、部活や授業を通じて
大切な「生きるマナー」を教えてもらいたいと切に希望したいと思います。
サッカーは子供を大人にし、大人を紳士にする!
クラマーさんの言葉が重い。
観客席から拍手が起きた。これがマナー違反だとして、協会は外国人
に謝罪した・・・・という報道を読んだ方も多いと思う。
石川遼君も「ゴルフは紳士のスポーツなのでマナーは守っていきたい」
とコメントしていたが、さすがだ、と思わずバレーボールと比較してしまった。
バレーボールの試合はそうではない。
小学生の試合でも、相手のミスに対してベンチ・観客・親子総出で喜ぶ姿は日常茶飯事。
まるで鬼の首でもとったような大騒ぎ。味方のミスでもヤジや罵声、落胆の
声は容赦なく浴びせられる。本当にこれでよいのだろうか。相手の不幸を喜ぶことを
子ども時代から植えつけられて育った子供の未来はどうなるのだろうか?
最近では審判も「ベンチコントローラー」というベンチ見張り番みたいな役割をつけて
その対応をしているみたいだが、しかし旧態依然としてマナーの悪さは改善されない。
スポーツを通じて心優しい大人、強くて逞しい大人、勇気のある大人との出会いが
教育上素晴しい出会いとなることは夢の話なのだろうか。
大人の立ち居振る舞いに憧れを抱くのが子ども時代には大切なことだと思うのだが、
バレーボールで繰り広げられる大人の応援の姿は、ゴルフの応援とは隔世の感がある。
なぜゴルフが世界的に人気があるのかと考えざるを得ない。
僕はゴルフをやらない。
なぜなら「山を切り開き、芝生の手入れに薬を使って自然破壊だ」みたいな
理由もあったが、それを除けばゴルフは素晴しい紳士のスポーツだと思った。
ジェントルマンシップ!
そういえば、青森県の弘前一中の教育目標は「ジェントルマンシップ」。
そこでの講演会で次のような話をさせてもらいました。一部紹介します。
『そこで僕なりにジェントルマンシップについて考えてみました。ジェントルマンシップとはどんなことを言うのかと・・・。それはね、まず他と争わない、スポーツで勝負の決着をつけるのが目的ではないということです。動物は生きるか死ぬかの決着がつくまで闘争しますが、人間が行うスポーツは勝つか負けるかの決着をつけることを目的としているものではありません。全力を尽くすこと。全力でプレイすることなんです。そして全力で戦い終えたら相手と握手をする心、相手に敬意を表す思いやりの心を行動で表すこと。
それを実際に行っているのがラグビーなんです。ラグビーのノーサイド精神というやつなんです。そしてもうひとつがサッカーです。日本のサッカーが弱かった時、確かクラマーさんて言われる方かな、その人が言われるには「サッカーは子供を大人にし、大人をジェントルマンにする」と言われた有名な言葉があります。
それは40年ほど前の話ですが、62年も前に中学校の教育目標を「ジェントルマンシップ」にしたというのはよほど見識が高いか先見の明があったのかいづれにしても素晴しいと僕は思いました。僕の監督時代もそうでした。試合が終って挨拶してベンチに帰る前に相手のベンチに挨拶をさせていました。自分のベンチや応援席よりも相手に先に敬意を表することです。ボクシングなども終了ゴングと同時に選手同士はリング上で抱き合いますね。そして互いのコーナーに出向いて相手のセコンドに挨拶をします。そういう精神ですね。これがジェントルマンシップであり、スポーツマンシップでもあるわけです。本当に観ていても気持ちが爽やかになります。今、テレビで高校野球なんかみていてもそうではない。相手よりも味方の応援席に先に挨拶に向っている。あれれ?と思います。これでいいの?なにかおかしくない?これじゃ相手を敬う精神が育たない。僕はそう思います。ジェントルマンシップというのは、味方応援席より先に相手に敬意を表し、互いに健闘を称えあう精神が大事です。それはベンチも同じです。だから僕は試合が終ったら自分のベンチよりも先に相手のベンチにも挨拶させていました。ところが最近のスポーツはそういう場面が見れない。勝ったらハデなガッツポーズで味方と一緒にバンザイをする。あれじゃ精神は育たない。だから君達が1週間後に総体の試合を控えているのならば、この辺から始めてみてください。
今日は、この初代の校長先生がどんな思いでこの教育目標を掲げられたのか、私は私なりに、その時の気持ちになって自分の話をしたいと思います。そして、あれも話す、これも話してもみなさん眠たくなり最後に何も残らないのでは困るので、私がいいと思った話を10個します。あとで感想文を書くのでしょう。その中からいいなと思った話や心に残ったことを書き留めたらいかがでしょうか。では第1番目からいきます。』
道徳や倫理社会、ホームルームだけではなく、部活や授業を通じて
大切な「生きるマナー」を教えてもらいたいと切に希望したいと思います。
サッカーは子供を大人にし、大人を紳士にする!
クラマーさんの言葉が重い。
by kusanokenji
| 2009-08-16 10:13
| ■連載“日々努力”