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by kusanokenji
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第2623話・・・元監督・元教頭の視点(45)

【量で勝負する練習からの脱却】


自然体バレーに出会う前の練習は、「練習量で勝負する」タイプの指導者でした。年間300日以上は練習していました。また、夏休みなどは、一日中練習していました。周りから「異常」「狂っている」と揶揄されました。周囲の納得という視点は、当時はどこにもありませんでした。


 しかし、草野先生から「あんた練習のやりすぎだ」と指摘されてから、徐々に考え方を変えていきました。指導者の後半は、週四回の練習でした。土・日も一日中はやりませんでした。しかし、成績は「量で勝負」の時代より好成績をおさめました。


 さて、私が考え方を変えたり、ヒントとなったことをお話します。もちろん、根底には、「自然体バレー」の教えがあります。しかし、私は、「練習量が少なくて強いチーム」の優れた練習を見たくて、いろいろと探しましたが、私の近隣には、小・中・高全てのカテゴリーにおいてありませんでした。強いバレーチームは、みんな常識外れの練習量でした。中学・高校では、テスト期間中においても、練習場を変えてやっているチームがほとんどでした。


 そこで他のスポーツに目を向けました。進学校なのに花園に手の届きそうな位置にある高校ラグビーチームが近くにありました。練習時間は平日2時間です。グラウンドも毎日使えるような状態ではありません。私的には、そのチームの練習に衝撃を受けました。


 まず、練習開始時刻には全員が揃っていません。授業などがあるのでバラバラに集まってきます。みんなが揃うまでは、自主練習の時間になります。この自主練習の取り組み方がすごいのです。自分でメニューを考えて取り組んでいます。みんなノートを見ながら取り組んでいます。ノートを見せてもらいました。「細分化練習」といって、自分の課題のプレーをスモールステップに区切ってメニューを構築しているのです。PDCAサイクル、計画・行動・修正というサイクルが見事にできているのです。


 また、練習の中では、個人のスキルをゲーム形式にしてランキング制で練習しているのです。例えば、相手のハイパントをキャッチしてから、キックで出すまでの流れをポイント化して評価しているのです。そのポイントでランキングが決まります。常に実践を意識しながら個のスキルを高めています。


 このあたりからヒントを受けて、小学生でも「質の高い自主練習」ができるはずだと思い、いろいろ試行錯誤をしました。私の中では、サーブという個人のスキルに自主練習とランキング制を導入させました。


 私が来てからの練習メニューの最初は、「サーブランキング」という練習でした。コース・高さの条件によるポイントを変えながら10本打ちます。平日は、この10本しか全体の中でサーブ練習はしません。これを毎回ポイント制にして、ランキングをはりだします。レギュラーもそうでない子もチャンスが平等に与えられるので、少しでも早く来て自主練習に励むようになります。体育館の壁には、ネットの高さ1mぐらいのところにフラフープが20本ほどはられています。そこにめがけて、サーブコントロールをひたすら自分で練習します。


 以前から、このような環境はつくりだしていたのですが、環境と練習メニューに連続性がなかったのです。ですから、あまり上達しませんでした。


 しかし、上のような「意図的な練習メニューの構築」は、大きな変化をもたらせました。サーブの上達ぶりは、すごかったです。


 いろいろなチームが私のチームのサーブの秘密を探るために見学に訪れました。どれもが一般的なメニューです。みんな同じようなことをやっているので、来た人は「なぜ、うちは同じ練習をしているのに強くならないのか」と首をひねって帰ります。


 しかし、そこには、「質の高い自主練習」「意図的な練習メニューの構築」「ゲーム感覚・遊び心を高めるランキング制」の導入がありました。


 また、保護者を呼んで人の視線に慣れる、体育館に試合の歓声を大音量で流すなどの環境の工夫も徐々に取り入れていきました。


 「サーブでミスして勝てるわけないだろ」と怒鳴りまくっていた初期の頃。しかし、後半は、メニューと環境の創造性という結論にたどり着きました。


 自然体バレーの練習を土台にしながら、いかにオリジナリティを創りだせるか、こんなことを草野先生から学ばせていただきました。


 「相手と同じことはするな。量の多いほうが勝つから」


 草野先生のこの言葉の中にヒントは隠されています。



















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by kusanokenji | 2016-06-09 11:18 | ■連載“日々努力”