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by kusanokenji
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第2576話・・・元監督・現教頭の視点(27)

学級が荒れていた時代を思い出して



1、はじめに


一般教諭として担任を持っていた21年間、その中で、どうしても忘れることのできない一年間がありました。今までは思い出したくもない過去でした。けど、10年ひと昔というように、時間の経過がその頃の辛さを薄めてきたように感じられます。今から15年前、2校目に転勤したばかりの頃のことを思い出してみます。


2、学級の実態

 

 22人のクラスの中に次のような児童が存在していました。

 ①ADHD傾向3人 ②AS傾向1人 ③LD傾向1人 

 ④愛着障害傾向2人

 学級の約三分の一の児童がこのような状態にありました。これらの子どもたちが刺激しあいトラブルが続発しました。まさに「化学反応」というべき状態でした。私がそれまでに担任した学級全てのトラブルを合わせても達しないような量が2年間で発生しました。生徒指導上のトラブル、いじめ問題、保護者同士の確執、トラブルとクレームの宝庫というべき学級でした。学校では子どもたち同士のトラブル解決、夜は保護者からのクレーム処理に追われる毎日・・・。


3、正対すること!


学級の荒れは、体験した教師でなければ辛さも解決策も分かりません。まさに格闘の連続です。また、心が折れそうになる自分自身との闘いでもあります。自分の全てが試されているときです。その学級が荒れている中で、当時の私が考えていたことは、次の三つでした。

①必ず乗り越えられる ②卒業式までは、這ってでも学校へ行く ③この経験を記録しておく


4、荒れと戦うために!

 

 (1)今日は何個トラブルが起きるか

   

  毎朝、今日は何もしなければいいなあと思って出勤します。しかし、朝からトラブルが発生します。靴かくし、登校中のイタズラなど・・・。朝から笑顔はなくなり、一日中ブルーになります。けど、発想を逆転させました一日十個までのトラブルを覚悟します。備簿録に○を十個書いておきました。一回トラブルが発生したら一つ塗ります。そして、一日が終わります。だいたい五個か六個で終わります。すると、今日は半分のトラブルで終わることができたと思い、自分を少しだけ安心させます。

 

 (2)気迫を持って子どもの前に立つ

   朝の挨拶から子どもの前に立つときは常に気迫を持ちました。目に力を入れて子どもの前に立つことを心がけました。教室全体を制圧するしっかりとした声で立ちます。また、廊下を歩くときも下を向いて歩かないようにしました。

 

 (3)子どもより先に行く

   朝は、早く行き、誰もいない教室で子どもを待ちました。体育の時は、体育館で子どもを待ちます。子どもより遅れていった時、そのちょっとした時間にトラブルは発生しました。空白の時間をつくらない。子どもの全てを自分の目で確かめるつもりで先に行きました。

 

 (4)給食は教師が采配する

   学級が荒れると給食が弱肉強食状態になりました。高学年になると普通は子どもたちだけで準備できるのだが、緊急事態の時はそのようなことは言ってられません。教師が配食をチェックし、目配りをしました。

 

 (5)淡々と授業を進める

   子どものトラブルは、ほとんど休み時間や放課後におきました。最初の頃は、授業が始まってからもその処理に引きずることがありました。けど、授業が成立しないと、余計に落ち着かなくなりました。そこで緊急性を除くトラブル以外は、放課後に解決することとして、淡々と授業を進めました。不思議と落ち着いていきました。授業が成立すると、あとはこちらのペースで様々なトラブルにも対応することができました。

 

 (6)家ではすぐ寝る

   家に帰ります。明日のことをいろいろと考えます。憂鬱になり、布団に入らずソファーで寝てしまうことも・・・。電気はつけっぱなしで疲れた状態で寝る。これが最悪でした。学級が荒れるとエネルギーの使われ方が半端ではありません。普通だったら何でもないことにエネルギーを使います。席替え、遠足、運動会・・・。だからこそ、体調を万全にしておくことが必要でした。教師は体力勝負だと実感しました。

 

 (7)かすかな成功事例を記録する

   荒れている中でも時々、かすかにうまくいくことがります。計算をやっているとき、図工で版画を制作しているときなど・・・。また、やんちゃくんが活躍してしまうような教育活動もありました。そのようなかすかな成功事例を記録しておき、学級通信や保護者会で発信しました。この取り組みが少しずつ学級の落ち着きを取り戻すきっかけになりました。


5、プライドと見栄を捨てること


 これができなくて最初の頃は地獄を見たと思います。自分の学級でこんなことが起きてはいけないと考えてしまいました。でも、途中からその考えがなくなりました。それは、「比較」をやめたからだと思います。つい、自分の学級と他の学級とを比べていました。自分は自分・・・。ダメな自分も認められるようになりました。途中から、「こんなに問題のあるクラスを担任できるのは、なかなかないことだ」と開き直ることができました。

 また、極めて重要なのは、授業を成立させることでした。もし、これで、日常の授業が成立しなくなったら末期症状を迎え、学級は本当に崩壊していたと思います。私の授業レベルは決して高くはありませんでしたが、それでも最終防波堤として、日常の授業が荒れをギリギリのところで食い止めていたのだと思います。

 学級が荒れたときの対応の中心は、教師がいい意味で「何とかなる」と開き直り、授業を成立させることで解決の糸口が見つかってくることを学びました。



 今、バレーの子どもたちの指導で悩んでいる指導者の方へ・・・・・。子どもがついてこないと感じている時に、説教はタブーだと思います。子どもが楽しいと思う練習メニューの構築をしながら、徐々に子どもの心に言葉を投げかけていくとよいと思います。

 学級崩壊しているクラスを立て直すには、一時間の授業の充実が特効薬です。バレーも一回の練習の充実が何よりも大切になってくると思います。














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by kusanokenji | 2016-01-29 08:20 | ■連載“日々努力”