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by kusanokenji
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第2540話・・・元監督・現教頭の視点(11)

【わたしが出会った女性指導者達】


いつもは男性指導者の視点で書いていたので、

今日は女性指導者のことを話題にしてみます。


 草野先生が言うように、女性でも「こわーい」と思う人はたくさんいました。


 この世界は、圧倒的に男性指導者が多く、

その中で結果を出していくのは並大抵の精神力ではできません。


 気合の入った女性監督は、ボール出しからすごいです。

統率のとれたボール出しは、

男性でもかなわないという場面に何度も出会いました。


 試合前に話をしても肩に力が入っていて、眼光鋭く、独特の雰囲気を漂わせていました。ワンマン系の練習では、もうしつこいぐらいの球出しです。「もう無理だろ」と思っても、顔色一つ変えずにねちっこくボールを出し続けます。ある意味、男性よりも冷酷です。


 けど、そんな女性指導者たちと合宿などをして、夜にお酒を飲むと、みんな優しい顔つきになります。そこで話をしてみると、ある一つの共通項がありました。それは、みんな現役時代に強豪チームに所属していたということ。そして、ビンタや体罰を受けてきたということでした。それも想像以上に激しい指導を受けてきたと言う人が多かったと記憶しています。


 ・髪の毛を引っ張られて、ひきずられた。

 ・あごがはずれた。

 ・鼻血はしょっちゅう出ていた


 と、こんな話をよく聞きました。そういった指導に耐えてきたので、バレーとはそういうものが当たり前だという感じでした。ある意味、彼女たちも被害者だなあと感じることがありました。


 だからこそ、必要以上に勝ち負けに執着するし、男性の指導者には負けたくないと強烈なライバル意識を持っています。へらへらしたバレーは認めたくないとも言っていました。


 けど、本音でしゃべると、普段、強がっているせいか、とても弱気な一面を見せていました。「ちょっと肩に力が入りすぎだよ」と私が言うと、「そんなこと言ってくれる人、今までいなかった」と、妙に感激してくれました。


 今、このブログを読んでいただいている女性指導者の皆さん、肩に力が入って、阿修羅のような形相でバレーをしていませんか?


 女性は男性よりもはるかに強いのです。過去に受けた指導と対極にある指導ができるのも女性の強さがあればできると思います。


 自分の受けた負のスパイラルにどこかで終止符を打たないと、結局は、自分と同じ運命をたどる子どもたちをつくってしまいます。


 小さい頃に受けた絶対服従の世界は、その後の人格形成にも大きく影響します。


 これは、誤解をされるかもしれませんが、暴力的なカリスマと言われる指導者のもとで育った選手は、その後の、恋愛や結婚で失敗することが多いという話もよく聞きます。


 強烈な過去の体験が歪んだ形で心に残るので、男性を見る目が狂ってしまうのではないでしょうか?


 暴力を受けても男性から離れられないDVを受けている女性はこの世の中にたくさん存在しています。なぜ、そんな男性から離れられないのか?暴力の後に優しくされることで、思考回路がおかしくなってしまい、一瞬の優しさが幸せに感じるからだと心理カウンセラーはよく言います。


 DVを受けている保護者に出会ったことがあります。「お母さん、なぜ、別れられないの?」と聞くと、「あの人は本当は優しい人なんです」「あの人は私がいないと・・・・」、なんてことをよく言います。


 そういうお母さんの生い立ちを聞くと、小さい頃に父親に暴力を受けた、若い頃につきあった男性に暴力をふるわれた・・・、などの話をよく聞きました。


 スポーツの世界もそうです。小さい頃に受けた心の傷は、その後のその子の人生を左右するのです。


 女性指導者は体罰よりも、言葉の暴力、陰湿なしごき、嫌味、理詰めの人格否定などの場面をよく見てきました。


 バレーの世界を変えるのは、過去に厳しい指導を受けてきた女性指導者の皆さんにかかっていると思います。



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by kusanokenji | 2015-11-26 08:11 | ■連載“日々努力”