第2017話・・・抱っこ
2013年 01月 18日
「抱っこされたい。でも拘束されたくない」
「自由に遊びたい。でも親から離れたくない」
「親がうざったい。でも親にしがみつきたい」
幼児はこの葛藤を繰り返しながら少しづつ親から離れ
そして親が近くにいなくなってもそれに耐えられる力を獲得していく。
この力を獲得するために欠かせない条件が
それ以前にどれだけ「抱っこ」されてきたか、である。
乳幼児期にたっぷり愛情を注がれてきた記憶があると
帰りたいときにいつでも親元に帰れる安心感が心の真ん中にできあがる。
そういう子は「自立」に向かって進むことができる。
幼少期にやり忘れた宿題は、思春期に歪んで出てくる。
男の子はずっと抱っこされたいマザコンであり続けたり
女の子は親以外の大人に抱っこしてもらってお金をもらうという援助交際に走ったり・・・。
抱っこの宿題は子どもへの宿題ではなく、親に課せられた宿題なのである。
人間には「抱っこ」が必要である。
幼少期にしっかり抱っこしてもらった子は
その時の体の柔らかさも、温もりも覚えていないが
潜在記憶が記憶している。
<みやざき中央新聞より>